一般質問
2011年12月議会 一般質問 太田議員
2011-12-14
まず最初に、国民健康保険についてです。
働いて保険料を納めていても、窓口負担が高すぎて医療機関にかかれない。こんな深刻な実態を全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が12月3日、記者会見で明らかにしています。中味を紹介しますと、
加盟病院のソーシャルワーカーが昨年4月から1年間に受けた医療・介護費の相談事例など3029件(45都道府県)について調査、分析した相談事例調査です。
調査結果では、「医療費が支払えない・不安がある層」で「保険料の滞納がない層」が約3分の1を占めています。これまでの調査では、「高すぎる国民健康保険料が払えず、窓口負担も払えない」ことが問題となっていました。しかし、今回は「被用者保険など保険料を納めても、窓口負担が払えない」問題が見えてきています。
被用者保険に加入する労働者も低賃金で医療費が払えない相談が増えています。失業による困窮も広がっています。失業の内訳トップは解雇。解雇の理由で一番多いのは病気。失業で収入が断たれ、受診できずさらに病気が悪化。そんな悪循環が調査の集計から浮き彫りになりっています。
全日本民医連の藤末衛会長は、政府による負担増の動きを批判し、「窓口負担ゼロを目指して引き下げを求める運動を他の医療団体と共同して進めたい」と述べています。
「医療費・介護費相談調査」からは、あらゆる年代で医療費の支払いが困難な生活困窮の実態も浮かび上がっています。
働いても低所得のため医療費の支払いが困難で、医療から縁遠くなっている実態が明らかになりました。
相談者の世帯に「就業者がいる」のは39%で、「いない」が31%、「不明」が30%です。就業者の雇用形態を見ると、「非正規」が7割を占めます。相談者の収入は、15万円未満が全体の4分の3以上を占めます。無収入が869件、約3割です。
運送会社のトラック運転手の男性(35)の場合、収入の大半が生活費に消え、入院費の支払いが困難だと相談がありました。
相談後、死亡した事例は、141例にも。「医療費の負担増に耐えられず、命に直結する医療へつながれない状態だ」と指摘しています。
会社の寮に住み、仕事をしていた66歳の男性は、国民健康保険料を滞納。胃の不調を感じ、市販薬を服用していました。6カ月間のみ有効の「短期証」を手に入れ、受診し、胃がんが判明。入院し手術を受けましたが、状態が悪化し12日後、死亡しました。
相談者3029件のうち無料低額診療事業を利用したのは、1227件(40・5%)でした。
無料低額診療事業は社会福祉法第2条などに基づき、医療費の支払いが困難な人を対象に医療費減免を行う制度です。全日本民医連に加盟する事業所のうち254事業所が行っています(8月10日現在)。
失業中の透析患者(男性・41)の母親は、糖尿病と心臓病で、医療費の負担が重く、4年前から受診を中断。自己判断で、息子の薬を服用していました。男性が相談し、母親は同事業を利用し、受診継続となりました。
「被保険者本人が3割の医療費窓口負担をしなければならない実態はもはや“公的保険”とはいえない」「医療費の窓口負担ゼロを目指して引き下げを求める」と記者会見で強調しています。
今回の調査結果を受けて残念ながら納得をしたことがあります。それは、寝屋川市の国保加入者の医療給付がなぜ大阪府下の自治体の中で低いところに位置しているのかということです。いままで、医療給付が府下でも低いのに保険料が高いのはおかしいと質問もしていましたが、今回の調査で寝屋川市の国保加入者が高い国保料負担で、窓口負担が重くて病院へいけていない。その結果として、一人あたりの医療給付が大阪府下の中でも低くなっていることの説明が付きます。現実に寝屋川市民からも窓口負担が重いために、病院の通院の回数を減らした。一週間分の薬を2週間に分けて飲んでいる等の相談を聞く事があります。せっかく高い保険料を納付して正規の保険証を手にしていても十分な医療を受ける事が困難な状況が寝屋川市内にすでにありそして広がっているのではないでしょうか。
高い保険料の引き下げ、窓口負担の軽減で医療を受けることを保証する。社会保障としての国保の役割が今こそ求められています。
そこでお聞きしますが、窓口負担が原因で診療を控えている市民の実態を寝屋川市としてどれくらいつかんでいますか。寝屋川市の国保加入者の一人あたりの医療給付が大阪府下でも低い方に当たる理由を市としてどのように考えていますか。実態把握に努めて、市民の医療を守る施策の充実を求めます。現実的には大規模なアンケート活動など早急に現状をつかむ事が非常に難しいと思いますが、各医療機関の一部負担金の未払い件数など市としてすぐに把握出来ることからはじめ、援助をすることも必要ではないでしょうか。すこし話はずれますが、窓口負担の未払いについては医療機関が努力をしても回収ができない場合は、保険者に任せる事が出来るとなっています。以前も一度聞きましたがその後、市にそのような要請はありましたか。今後窓口負担が引き上がると滞納が増え市への要請も出てくることも考えられます。回収に費用をかけるより最初から窓口負担の軽減をすることで市の負担を減らす事の方が賢いのではないでしょうか。
現実的には高額療養費制度、一部負担金減免制度の周知や、ジェネリック医薬品の普及などで窓口負担の減額を図ることが求められます。市として制度の周知と制度の拡充を求め答弁を求めます。
また、無料低額診療を行う医療機関を寝屋川市内でも開設していただく事が必要と考えますが、市としてどのような対策をとっているのかお答えください。無料低額診療所は現在北河内には、門真にしかありません。寝屋川市民で門真の無料低額診療所の利用実績があるのかお答えください。現在、寝屋川市内の医療機関が無料低額診療に向けて準備をしているとも聞いています。すべて、医療機関の持ち出しとするのではなく、市としても市民の健康を守る立場での援助が必要と考えます。市の答弁を求めます。
現在、3割の窓口負担が重たい負担となっている中で、政府・与党は「税と社会保障の一体改革」で医療費の受診時定額負担を検討しています。これは、高額療養費の負担軽減の財源を捻出すると称して、受診のたびに100円を現行の医療費負担に上乗せするものです。日本共産党の田村智子議員は12月1日の参院厚生労働委員会で、「患者同士で負担を分かち合えというものだ。(国民全体で支えあう)医療保険制度の原則に反する」と批判しました。政府の審議会に出された資料でも受診抑制を招くことを認めていると追及しました。辻泰弘副大臣も、「受診時定額負担によって、受診行動が変化することを見込んでいる」と認めました。 田村氏は、低所得者の歯の健康は全国平均より悪いとした全日本民主医療機関連合会の調査を示し、「受診時定額負担は低所得者ほど負担がのしかかる。健康格差を深刻化させる」と強調しました。
小宮山洋子厚労相は「病気の人が病気の人を助けるのはおかしいとの指摘もうかがっている。各方面の意見をうかがいながら検討したい」と答えました。
田村氏は、健康が悪化すれば医療費を増大させることになり、早期治療や医療費負担の軽減こそが求められると述べています。
現在、受診時定額負担は、計画が出た時点で多くの国民の反対の声で今回は見送りとなったようですが、寝屋川市として、市民の健康を守る立場から受診時定額負担に反対をして下さい。答弁を求めます。
70歳から74歳までの窓口負担です。すでに2割負担にすると決まりながら、なんとか、特例措置で1割負担が続いています。1割から2割に負担が変わると二倍の窓口負担となります。なんとか今国会で来年度についても1割負担とする事が決まりましたが、寝屋川市としても高齢者の負担軽減を図るため市として国に求めるよう求め答弁を求めます。
大阪府の府特別調整交付金についてです。11月16日に大阪府は府特別調整交付金の評価基準の考え方(案)を公表しました。大阪府が広域化方針を作ったことで、今年度から国の保険料の徴収率によるペナルティはなくなりました。しかし、今後、新たに府が評価基準を決め特別調整交付金の配分を決める事になります。今回評価基準の考え方が明らかになりましたが、現時点で寝屋川市にとって、どれだけの額が影響してくるのか、また、現時点で項目ごとの点数と合計点をお答えください。最終的には大阪府下すべての市町村と比べて交付金の額が決められると思いますが、予定収納率の設定等、保険料設定に大きく影響を及ぼす項目もあります。市として、調整交付金は国保加入者の人数と所得階層によって、より低い所得階層の自治体に多くの交付金を配当するように要望することが必要と考えます。市として府の特別調整交付金の評価基準を寝屋川の国保加入者にとってよりよい形へと変えるべく府へ求めて下さい。
介護保険について
まず最初に、第5期計画についてです。厚生労働省は8月末に第5期介護保険料試算ワークシートを都道府県を通じて全市町村におろしています。しかし、不備が多く、結局10月12日に厚労省は専用ホームページを開設し、市町村から直接データを厚生労働省に集め都道府県ごとに集計した上で都道府県に10月末に情報提供をするという異例の措置となりました。
今回、大阪府に対して厚生労働省が情報提供した資料のすべてを大阪社保協が大阪府に対して情報公開請求し公開されています。そこでは、寝屋川市もワークシートに給付費や予定収納率等の数字を入れて報告をしています。そして来年度保険料が4337円と試算されています。これは、現行の4240円より97円高くなっています。この間の市長答弁では来期の介護保険料については引き下げを行うと明言をされています。今回、厚生労働省に提出した第五期計画の予想からどのように保険料を引き下げるのかを明らかにして下さい。答弁を求めます。
今回の試算では介護給付費準備基金を100%繰り入れして試算がされています。この事については、介護給付費準備基金は取り過ぎた高齢者からの介護保険料です。全額取り崩しを一貫して求めてきたことから評価をしたいと思います。今後も介護保険の運営しているなかで介護給付費準備基金を積み立てた場合は次期計画で取り崩すことをルール化することを求めます。答弁を求めます。
そして、大阪府財政安定化基金約194億5000万のうち、約82億8000万を「必要額」として温存し、約111億7000万円を取崩し、その3分の1にあたる、約37億2500万円を府内の41市町村に介護保険料軽減財源として交付する事も明らかとなりました。しかし 大阪社保協の試算では、約37億2500万円の保険料軽減効果は 第1号被保険者数195万1124人(2011年7月)で割ると一人当たり1,908円となり、第5期介護保険料3年間の軽減にあてはめると第1号被保険者数を同じとして、1908円÷36月=53円程度となります。(実際は3年間で第1号被保険者数は増加するので、一人当たり軽減額はもっと少なくなります)もし、194億円全額を取崩し、その全てを保険料軽減に回せば、第1号被保険者一人当たり9,968円月277円程度の軽減になり、大阪府の「試算値」ではその5分の1の軽減効果にしかなりません。寝屋川市として大阪府財政安定化基金の全額取り崩しと、国、府負担分も合わせた全額の介護保険会計への繰り入れを国・府に求めて下さい。答弁を求めます。
介護保険料利用料の減免についてです。
寝屋川市はこの間お隣枚方市と比較して、保険料の段階が多い、第一段階、第二段階共に0.5倍としている事で低所得者に優しい保険料となっていると説明をしてきました。しかし、実態として寝屋川市の普通徴収の保険料の徴収率は大阪府下でも最悪に悪い状態となっています。今回第五期計画のワークシートに書かれている保険料の予定収納率もおおむね他市が98%台であるのに対して97.4%と低く見積もられています。特別徴収は基本100%ですので、やはり普通徴収の収納率の悪さが影響をしています。普通徴収の収納率の悪さは寝屋川市の高齢者の生活の厳しさの反映ではないでしょうか。そこには無年金、無収入の人からの保険料の徴収は無理がある事を示しています。
そこで今ある介護保険制度をしっかりと活かして滞納を減らす努力が必要ではないでしょうか。寝屋川市においては境界層措置の適用、所謂、境界層減免の利用があまりにも少ないのではないでしょうか。寝屋川市のHPを見ましても申請書のダウンロードは出来てもどのような方が利用できる制度であるのかは全然分かりません。また、申請書には関係書類を添えて申請をしますとなっていますが、どのような関係書類が要るのかも全然明記がありません。寝屋川市内には生活保護基準以下で暮らしている高齢者もたくさんいるのではないでしょうか。制度の説明周知をして、介護保険料の滞納とならないよう市として援助をする必要があるのではないでしょうか。市としての制度の周知と減免申請への援助を求めて答弁を求めます。
利用料についても、せっかく介護認定を受けてケアプランを立てたのに利用料負担のために介護保険を利用出来ないでいる実態もよく聞きます。そこで、(社会福祉法人等による利用者負担軽減について)についてです。介護保険の円滑な実施のための特別対策として、介護サービスを提供する社会福祉法人が、特に生計が困難な利用者について、利用者の住所地の市町村に申出て、その助成を受け、負担を軽減する事業で、市町村事業として位置付けられています。寝屋川市としてこの制度の周知を更に進めて頂きたいと思いますが、現在の市の周知方法と制度の利用状況、市内事業所の何箇所が利用をしているのかお答えください。
そして現在ある制度で救済が出来ない高齢者に対して市独自の保険料、利用料の減免制度を設ける事が必要です。第五期計画に合わせて制度の創設を求め答弁を求めます。
水道事業について
寝屋川水道ビジョン第二期実施計画の水道料金の検討では、水道料金に平成22年度に大阪府営水道の用水供給単価が値下げされたことに伴い、大阪府内で水道料金の値下げが実施された市町村があります。本市においても、今後、水道施設等の更新・維持管理、香里浄水場休廃止に伴う施設の撤去等に多額の費用が必要となる中、料金体系の見直し、改定方法等、水道料金のあり方について検討を進める必要があります。とあり、今年10月から水道料金が10%の引き下げが行われました。
また、大阪広域水道企業団の将来構想では、第3節 持続的な事業運営 1経営の効率化 目標 安定給水と健全経営を維持しつつ、料金値下げを追及する。とされています。
また、 大阪府知事選挙、大阪市長選挙が終わりどちらも維新の会の知事、市長となりました。維新の会の市長選公約には、大阪市水道局を大阪広域水道事業団に統合し、大阪全域で上水事業を一本化。事業を効率化することにより水道料金の値下げを目指します。
知事選公約では大阪市水道局を大阪広域水道企業団に統合させ、府域全域のワン水道を実現することで、施設、人員を統合整理し、合理化を図ります。これにより、経費の削減を行い、水道料金の値下げを行います。とあります。
今後の寝屋川市の水道料金の見通しをお示しください。また、大阪水道事業企業団が大阪市営水道と統合をする事は知事の判断で出来るのか、企業団としての意思が優先をされると思いますが、事実関係を示して下さい。
東日本大震災以降、防災に対する市民の関心が高まってきています。大阪水道企業団 将来構想では、平成31年度には震災時にも一日あたり60万・(最低限の日常生活を維持)平成41年度には一日あたり100万・(最低限の社会経済活動を維持)を供給できる施設の更新が目標とされています。寝屋川市の水道ビジョンにも災害時の給水目標が必要と考えますが、寝屋川市の目標と現在の状況をお応えください。
寝屋川市水道ビジョンでは香里浄水場を2014年度末で廃止する計画となっています。その後、現状でいきますと、大阪市営水道、大阪広域水道企業団からの水の供給を受けることとなります。市内の飲料水兼用耐震性貯水等の整備は大切ですが、大元の用水の配水施設の耐震化も非常に重要となってきます。平成22年度の大阪広域水道企業団のポンプ所耐震施設率は98.1%ですが、浄水施設耐震率は32.3%、管路の耐震化率は29.1%浄水(配水)池耐震施設率は10.4%と非常に低いまま推移しています。寝屋川市も広域水道企業団の一員として、100%の耐震化へ向け積極的に発言をしていくよう求めます。現在、寝屋川市が広域水道企業団対して行なった要請等があればあわせてお応えください。
中小企業振興について
最初に産業振興条例についてです。市長は6月の市政方針で産業振興条例については「商業、工業、農業の活性化を図るため、産業振興に関する基本的な考え方を明らかにした(仮称)産業振興条例を制定します。」としています。そして、2011年度 市民生活部運営方針では◎商業、工業、農業の活性化を図るため、産業振興に関する基本的な考え方を明らかにした(仮称)産業振興条例の制定に向け、検討を進めます。となっています。
お隣大東市では2011年6月23日、大東市地域産業振興基本条例が全会一致で制定されました。そして条例制定に至るまで、「産業振興市民会議」を学識経験者・商工業者・商工団体の代表者・公募市民・行政機関の代表者により市民会議を設置し、会議を重ね、条例案が検討されています。また「産業振興シンポジウム」を行う等、商工業者や市民が主体になって条例制定にこぎつけています。
現時点で、産業振興条例の制定に向けての具体的な進展状況と今後のプログラムを明らかにして下さい。条例の制定には多くの市民、業者、商売人、農業従事者等の関係各位の知恵と力を結集して、進めていくことが必要です。条例にむけて、市民の意見の集約や、参加をどのような形で行っていくのか明らかにして下さい。
次に、住宅リフォーム助成制度です。私は地域の中小零細業者の仕事確保、市域内の産業活性化、営業を守るためにも住宅リフォーム助成制度が今こそ必要であると考えています。すでに一部自治体で始まったこの制度は、既に多くの成果をあげ全国の自治体へ広がってきている試され、結果が出ている制度です。市として調査研究をすること、そして制度の創設を求め答弁を求めます。
働いて保険料を納めていても、窓口負担が高すぎて医療機関にかかれない。こんな深刻な実態を全日本民主医療機関連合会(全日本民医連)が12月3日、記者会見で明らかにしています。中味を紹介しますと、
加盟病院のソーシャルワーカーが昨年4月から1年間に受けた医療・介護費の相談事例など3029件(45都道府県)について調査、分析した相談事例調査です。
調査結果では、「医療費が支払えない・不安がある層」で「保険料の滞納がない層」が約3分の1を占めています。これまでの調査では、「高すぎる国民健康保険料が払えず、窓口負担も払えない」ことが問題となっていました。しかし、今回は「被用者保険など保険料を納めても、窓口負担が払えない」問題が見えてきています。
被用者保険に加入する労働者も低賃金で医療費が払えない相談が増えています。失業による困窮も広がっています。失業の内訳トップは解雇。解雇の理由で一番多いのは病気。失業で収入が断たれ、受診できずさらに病気が悪化。そんな悪循環が調査の集計から浮き彫りになりっています。
全日本民医連の藤末衛会長は、政府による負担増の動きを批判し、「窓口負担ゼロを目指して引き下げを求める運動を他の医療団体と共同して進めたい」と述べています。
「医療費・介護費相談調査」からは、あらゆる年代で医療費の支払いが困難な生活困窮の実態も浮かび上がっています。
働いても低所得のため医療費の支払いが困難で、医療から縁遠くなっている実態が明らかになりました。
相談者の世帯に「就業者がいる」のは39%で、「いない」が31%、「不明」が30%です。就業者の雇用形態を見ると、「非正規」が7割を占めます。相談者の収入は、15万円未満が全体の4分の3以上を占めます。無収入が869件、約3割です。
運送会社のトラック運転手の男性(35)の場合、収入の大半が生活費に消え、入院費の支払いが困難だと相談がありました。
相談後、死亡した事例は、141例にも。「医療費の負担増に耐えられず、命に直結する医療へつながれない状態だ」と指摘しています。
会社の寮に住み、仕事をしていた66歳の男性は、国民健康保険料を滞納。胃の不調を感じ、市販薬を服用していました。6カ月間のみ有効の「短期証」を手に入れ、受診し、胃がんが判明。入院し手術を受けましたが、状態が悪化し12日後、死亡しました。
相談者3029件のうち無料低額診療事業を利用したのは、1227件(40・5%)でした。
無料低額診療事業は社会福祉法第2条などに基づき、医療費の支払いが困難な人を対象に医療費減免を行う制度です。全日本民医連に加盟する事業所のうち254事業所が行っています(8月10日現在)。
失業中の透析患者(男性・41)の母親は、糖尿病と心臓病で、医療費の負担が重く、4年前から受診を中断。自己判断で、息子の薬を服用していました。男性が相談し、母親は同事業を利用し、受診継続となりました。
「被保険者本人が3割の医療費窓口負担をしなければならない実態はもはや“公的保険”とはいえない」「医療費の窓口負担ゼロを目指して引き下げを求める」と記者会見で強調しています。
今回の調査結果を受けて残念ながら納得をしたことがあります。それは、寝屋川市の国保加入者の医療給付がなぜ大阪府下の自治体の中で低いところに位置しているのかということです。いままで、医療給付が府下でも低いのに保険料が高いのはおかしいと質問もしていましたが、今回の調査で寝屋川市の国保加入者が高い国保料負担で、窓口負担が重くて病院へいけていない。その結果として、一人あたりの医療給付が大阪府下の中でも低くなっていることの説明が付きます。現実に寝屋川市民からも窓口負担が重いために、病院の通院の回数を減らした。一週間分の薬を2週間に分けて飲んでいる等の相談を聞く事があります。せっかく高い保険料を納付して正規の保険証を手にしていても十分な医療を受ける事が困難な状況が寝屋川市内にすでにありそして広がっているのではないでしょうか。
高い保険料の引き下げ、窓口負担の軽減で医療を受けることを保証する。社会保障としての国保の役割が今こそ求められています。
そこでお聞きしますが、窓口負担が原因で診療を控えている市民の実態を寝屋川市としてどれくらいつかんでいますか。寝屋川市の国保加入者の一人あたりの医療給付が大阪府下でも低い方に当たる理由を市としてどのように考えていますか。実態把握に努めて、市民の医療を守る施策の充実を求めます。現実的には大規模なアンケート活動など早急に現状をつかむ事が非常に難しいと思いますが、各医療機関の一部負担金の未払い件数など市としてすぐに把握出来ることからはじめ、援助をすることも必要ではないでしょうか。すこし話はずれますが、窓口負担の未払いについては医療機関が努力をしても回収ができない場合は、保険者に任せる事が出来るとなっています。以前も一度聞きましたがその後、市にそのような要請はありましたか。今後窓口負担が引き上がると滞納が増え市への要請も出てくることも考えられます。回収に費用をかけるより最初から窓口負担の軽減をすることで市の負担を減らす事の方が賢いのではないでしょうか。
現実的には高額療養費制度、一部負担金減免制度の周知や、ジェネリック医薬品の普及などで窓口負担の減額を図ることが求められます。市として制度の周知と制度の拡充を求め答弁を求めます。
また、無料低額診療を行う医療機関を寝屋川市内でも開設していただく事が必要と考えますが、市としてどのような対策をとっているのかお答えください。無料低額診療所は現在北河内には、門真にしかありません。寝屋川市民で門真の無料低額診療所の利用実績があるのかお答えください。現在、寝屋川市内の医療機関が無料低額診療に向けて準備をしているとも聞いています。すべて、医療機関の持ち出しとするのではなく、市としても市民の健康を守る立場での援助が必要と考えます。市の答弁を求めます。
現在、3割の窓口負担が重たい負担となっている中で、政府・与党は「税と社会保障の一体改革」で医療費の受診時定額負担を検討しています。これは、高額療養費の負担軽減の財源を捻出すると称して、受診のたびに100円を現行の医療費負担に上乗せするものです。日本共産党の田村智子議員は12月1日の参院厚生労働委員会で、「患者同士で負担を分かち合えというものだ。(国民全体で支えあう)医療保険制度の原則に反する」と批判しました。政府の審議会に出された資料でも受診抑制を招くことを認めていると追及しました。辻泰弘副大臣も、「受診時定額負担によって、受診行動が変化することを見込んでいる」と認めました。 田村氏は、低所得者の歯の健康は全国平均より悪いとした全日本民主医療機関連合会の調査を示し、「受診時定額負担は低所得者ほど負担がのしかかる。健康格差を深刻化させる」と強調しました。
小宮山洋子厚労相は「病気の人が病気の人を助けるのはおかしいとの指摘もうかがっている。各方面の意見をうかがいながら検討したい」と答えました。
田村氏は、健康が悪化すれば医療費を増大させることになり、早期治療や医療費負担の軽減こそが求められると述べています。
現在、受診時定額負担は、計画が出た時点で多くの国民の反対の声で今回は見送りとなったようですが、寝屋川市として、市民の健康を守る立場から受診時定額負担に反対をして下さい。答弁を求めます。
70歳から74歳までの窓口負担です。すでに2割負担にすると決まりながら、なんとか、特例措置で1割負担が続いています。1割から2割に負担が変わると二倍の窓口負担となります。なんとか今国会で来年度についても1割負担とする事が決まりましたが、寝屋川市としても高齢者の負担軽減を図るため市として国に求めるよう求め答弁を求めます。
大阪府の府特別調整交付金についてです。11月16日に大阪府は府特別調整交付金の評価基準の考え方(案)を公表しました。大阪府が広域化方針を作ったことで、今年度から国の保険料の徴収率によるペナルティはなくなりました。しかし、今後、新たに府が評価基準を決め特別調整交付金の配分を決める事になります。今回評価基準の考え方が明らかになりましたが、現時点で寝屋川市にとって、どれだけの額が影響してくるのか、また、現時点で項目ごとの点数と合計点をお答えください。最終的には大阪府下すべての市町村と比べて交付金の額が決められると思いますが、予定収納率の設定等、保険料設定に大きく影響を及ぼす項目もあります。市として、調整交付金は国保加入者の人数と所得階層によって、より低い所得階層の自治体に多くの交付金を配当するように要望することが必要と考えます。市として府の特別調整交付金の評価基準を寝屋川の国保加入者にとってよりよい形へと変えるべく府へ求めて下さい。
介護保険について
まず最初に、第5期計画についてです。厚生労働省は8月末に第5期介護保険料試算ワークシートを都道府県を通じて全市町村におろしています。しかし、不備が多く、結局10月12日に厚労省は専用ホームページを開設し、市町村から直接データを厚生労働省に集め都道府県ごとに集計した上で都道府県に10月末に情報提供をするという異例の措置となりました。
今回、大阪府に対して厚生労働省が情報提供した資料のすべてを大阪社保協が大阪府に対して情報公開請求し公開されています。そこでは、寝屋川市もワークシートに給付費や予定収納率等の数字を入れて報告をしています。そして来年度保険料が4337円と試算されています。これは、現行の4240円より97円高くなっています。この間の市長答弁では来期の介護保険料については引き下げを行うと明言をされています。今回、厚生労働省に提出した第五期計画の予想からどのように保険料を引き下げるのかを明らかにして下さい。答弁を求めます。
今回の試算では介護給付費準備基金を100%繰り入れして試算がされています。この事については、介護給付費準備基金は取り過ぎた高齢者からの介護保険料です。全額取り崩しを一貫して求めてきたことから評価をしたいと思います。今後も介護保険の運営しているなかで介護給付費準備基金を積み立てた場合は次期計画で取り崩すことをルール化することを求めます。答弁を求めます。
そして、大阪府財政安定化基金約194億5000万のうち、約82億8000万を「必要額」として温存し、約111億7000万円を取崩し、その3分の1にあたる、約37億2500万円を府内の41市町村に介護保険料軽減財源として交付する事も明らかとなりました。しかし 大阪社保協の試算では、約37億2500万円の保険料軽減効果は 第1号被保険者数195万1124人(2011年7月)で割ると一人当たり1,908円となり、第5期介護保険料3年間の軽減にあてはめると第1号被保険者数を同じとして、1908円÷36月=53円程度となります。(実際は3年間で第1号被保険者数は増加するので、一人当たり軽減額はもっと少なくなります)もし、194億円全額を取崩し、その全てを保険料軽減に回せば、第1号被保険者一人当たり9,968円月277円程度の軽減になり、大阪府の「試算値」ではその5分の1の軽減効果にしかなりません。寝屋川市として大阪府財政安定化基金の全額取り崩しと、国、府負担分も合わせた全額の介護保険会計への繰り入れを国・府に求めて下さい。答弁を求めます。
介護保険料利用料の減免についてです。
寝屋川市はこの間お隣枚方市と比較して、保険料の段階が多い、第一段階、第二段階共に0.5倍としている事で低所得者に優しい保険料となっていると説明をしてきました。しかし、実態として寝屋川市の普通徴収の保険料の徴収率は大阪府下でも最悪に悪い状態となっています。今回第五期計画のワークシートに書かれている保険料の予定収納率もおおむね他市が98%台であるのに対して97.4%と低く見積もられています。特別徴収は基本100%ですので、やはり普通徴収の収納率の悪さが影響をしています。普通徴収の収納率の悪さは寝屋川市の高齢者の生活の厳しさの反映ではないでしょうか。そこには無年金、無収入の人からの保険料の徴収は無理がある事を示しています。
そこで今ある介護保険制度をしっかりと活かして滞納を減らす努力が必要ではないでしょうか。寝屋川市においては境界層措置の適用、所謂、境界層減免の利用があまりにも少ないのではないでしょうか。寝屋川市のHPを見ましても申請書のダウンロードは出来てもどのような方が利用できる制度であるのかは全然分かりません。また、申請書には関係書類を添えて申請をしますとなっていますが、どのような関係書類が要るのかも全然明記がありません。寝屋川市内には生活保護基準以下で暮らしている高齢者もたくさんいるのではないでしょうか。制度の説明周知をして、介護保険料の滞納とならないよう市として援助をする必要があるのではないでしょうか。市としての制度の周知と減免申請への援助を求めて答弁を求めます。
利用料についても、せっかく介護認定を受けてケアプランを立てたのに利用料負担のために介護保険を利用出来ないでいる実態もよく聞きます。そこで、(社会福祉法人等による利用者負担軽減について)についてです。介護保険の円滑な実施のための特別対策として、介護サービスを提供する社会福祉法人が、特に生計が困難な利用者について、利用者の住所地の市町村に申出て、その助成を受け、負担を軽減する事業で、市町村事業として位置付けられています。寝屋川市としてこの制度の周知を更に進めて頂きたいと思いますが、現在の市の周知方法と制度の利用状況、市内事業所の何箇所が利用をしているのかお答えください。
そして現在ある制度で救済が出来ない高齢者に対して市独自の保険料、利用料の減免制度を設ける事が必要です。第五期計画に合わせて制度の創設を求め答弁を求めます。
水道事業について
寝屋川水道ビジョン第二期実施計画の水道料金の検討では、水道料金に平成22年度に大阪府営水道の用水供給単価が値下げされたことに伴い、大阪府内で水道料金の値下げが実施された市町村があります。本市においても、今後、水道施設等の更新・維持管理、香里浄水場休廃止に伴う施設の撤去等に多額の費用が必要となる中、料金体系の見直し、改定方法等、水道料金のあり方について検討を進める必要があります。とあり、今年10月から水道料金が10%の引き下げが行われました。
また、大阪広域水道企業団の将来構想では、第3節 持続的な事業運営 1経営の効率化 目標 安定給水と健全経営を維持しつつ、料金値下げを追及する。とされています。
また、 大阪府知事選挙、大阪市長選挙が終わりどちらも維新の会の知事、市長となりました。維新の会の市長選公約には、大阪市水道局を大阪広域水道事業団に統合し、大阪全域で上水事業を一本化。事業を効率化することにより水道料金の値下げを目指します。
知事選公約では大阪市水道局を大阪広域水道企業団に統合させ、府域全域のワン水道を実現することで、施設、人員を統合整理し、合理化を図ります。これにより、経費の削減を行い、水道料金の値下げを行います。とあります。
今後の寝屋川市の水道料金の見通しをお示しください。また、大阪水道事業企業団が大阪市営水道と統合をする事は知事の判断で出来るのか、企業団としての意思が優先をされると思いますが、事実関係を示して下さい。
東日本大震災以降、防災に対する市民の関心が高まってきています。大阪水道企業団 将来構想では、平成31年度には震災時にも一日あたり60万・(最低限の日常生活を維持)平成41年度には一日あたり100万・(最低限の社会経済活動を維持)を供給できる施設の更新が目標とされています。寝屋川市の水道ビジョンにも災害時の給水目標が必要と考えますが、寝屋川市の目標と現在の状況をお応えください。
寝屋川市水道ビジョンでは香里浄水場を2014年度末で廃止する計画となっています。その後、現状でいきますと、大阪市営水道、大阪広域水道企業団からの水の供給を受けることとなります。市内の飲料水兼用耐震性貯水等の整備は大切ですが、大元の用水の配水施設の耐震化も非常に重要となってきます。平成22年度の大阪広域水道企業団のポンプ所耐震施設率は98.1%ですが、浄水施設耐震率は32.3%、管路の耐震化率は29.1%浄水(配水)池耐震施設率は10.4%と非常に低いまま推移しています。寝屋川市も広域水道企業団の一員として、100%の耐震化へ向け積極的に発言をしていくよう求めます。現在、寝屋川市が広域水道企業団対して行なった要請等があればあわせてお応えください。
中小企業振興について
最初に産業振興条例についてです。市長は6月の市政方針で産業振興条例については「商業、工業、農業の活性化を図るため、産業振興に関する基本的な考え方を明らかにした(仮称)産業振興条例を制定します。」としています。そして、2011年度 市民生活部運営方針では◎商業、工業、農業の活性化を図るため、産業振興に関する基本的な考え方を明らかにした(仮称)産業振興条例の制定に向け、検討を進めます。となっています。
お隣大東市では2011年6月23日、大東市地域産業振興基本条例が全会一致で制定されました。そして条例制定に至るまで、「産業振興市民会議」を学識経験者・商工業者・商工団体の代表者・公募市民・行政機関の代表者により市民会議を設置し、会議を重ね、条例案が検討されています。また「産業振興シンポジウム」を行う等、商工業者や市民が主体になって条例制定にこぎつけています。
現時点で、産業振興条例の制定に向けての具体的な進展状況と今後のプログラムを明らかにして下さい。条例の制定には多くの市民、業者、商売人、農業従事者等の関係各位の知恵と力を結集して、進めていくことが必要です。条例にむけて、市民の意見の集約や、参加をどのような形で行っていくのか明らかにして下さい。
次に、住宅リフォーム助成制度です。私は地域の中小零細業者の仕事確保、市域内の産業活性化、営業を守るためにも住宅リフォーム助成制度が今こそ必要であると考えています。すでに一部自治体で始まったこの制度は、既に多くの成果をあげ全国の自治体へ広がってきている試され、結果が出ている制度です。市として調査研究をすること、そして制度の創設を求め答弁を求めます。
幼保一体化に係る文章
2011-12-13
2011年9月議会 一般質問 田中議員
2011-09-21
現行の児童福祉施設最低基準は60年前に国が決めたもので日本であればどこに住んでいても保障される最低基準を定めたものです。最低基準を地域や法人の判断で上回る事は現行制度でも全く問題はありません。現在、日本の最低基準は、乳児室は、一人あたり、1.65㎡でハイハイする0~1歳児の室内面積基準は、3.3㎡、2歳以上は1.98㎡、園庭等の面積は2歳以上3.3㎡です。保育士の配置基準は0歳児3人、1~2歳児6人、3歳児20人、4~5歳児30人に対し一人というものです。先進諸国と比べてアメリカの1歳未満4.64㎡、1歳以上3.25㎡園庭では6.96㎡で日本の水準は低すぎます。
この低い水準をあえて国が廃止したのは、現行最低基準を緩めて低い基準を自治体が定め、現行施設・職員数のままで児童定員だけを増加させて待機児解消するためです。最低基準の引き下げは、新たな施設だけでなく、既存施設にも適用されます。最低基準の引き下げは、子ども達の発達また、安全や命の保障ができなくなると危惧されます。
●市は、これまでの最低基準を守り、拡充をはかるよう努力すべきです。見解をお聞きします。
子ども・子育て新システムについてです。
3月11日に起きました東日本大震災では、死亡行方不明者が2万人を超す未曾有の大災害となりました。放射能の影響を受けやすいこどもの場合チェルノブイリ周辺地域で生じたように、将来的に、内部被爆が原因となる甲状腺ガンなどの多発が懸念されます。1995年の阪神・淡路大震災の場合と比べ、国の対応は鈍く被害が甚大で、被災地域が広範囲にわたることもありますが、高齢者介護の分野では、2000年から施行された介護保険法による公的責任の後退がひびき、施設・事業者任せとなり、医療・保健との連携も不十分です。それが、高齢者の災害関連死の多発にもつながっています。
民間介護事業者は、災害救助法等の例外的措置以外は、自力再建が原則となっています。そのため被災した介護事業者の休所や廃所が相次いでいます。大半が再開のめどが立っていないという実態です。
そのような中、子どもの生活も危険にさらされています。震災で家族や住まいを失った子供達のために、保育の必要性は高まっていますが、国の対応は後手にまわっています。阪神・淡路大震災の時は、震災1週間後に、被災し保育を行えない保育所でも職員の雇用保障のための運営費、人件費部分の支払いや被災者を受け入れた保育所への措置費の支払いなどを行うよう、事務連絡が出され、保育料の減免についても1ヶ月から3ヶ月程ですが、国庫補助の対象で免除の通知がありました。
今回は措置費の事務連絡がありましたが、保育料の免除については市町村の判断と負担で行うとされました。しかし、市町村に保育の実施義務が残っている現在の保育制度のもとでは、介護事業者に比べ、保育所の再建もすすみ、被災地域の子育て支援の拠点の役割を果たしつつあります。
今回の大震災で児童福祉、特に保育の公的責任の重要性があらためて浮き彫りになったといえます。
そんな中、政府は来年1月、遅くても3月までに「子ども・子育て新システム」を決めようとしています。内容は「幼保一体化」や最低基準の撤廃などすすめ、公的保育制度を解体し、介護保険と同じ仕組みにしようとするものです。
子ども・子育て新システムの内容として、
①市町村の仕事は、主に時間刻みの保育時間の認定、「幼保一体給付」への補助金を支払う事が中心となり、これまで市に申込みすれば市が窓口となって保育所入所できる時など、市から連絡がありますが、新システムでは、保護者が直接に保育所と契約を行わなければいけないなど、これまでの市町村の公的責任をなくしてしまうものです。
②所得層の高い家庭は保育所の選択ができますが、保育料は応悩負担から応益負担となり、所得の低い家庭では、選ぶことができません。また、保護者は直接に保育事業所に保育料を支払うため、保護者が保育料を滞納すれば、事業所は滞納していることがわかりますから、退園させられる可能性があります。
③施設側に利用者を選ぶ権利がある限り、とりわけ、社会的に不利な立場であります障害児、一人親、低所得の世帯が「障害児を保育する施設がない」とか、「空きがない」などと口実をつくり、必要な保育を受けられなくなることが懸念されます。
また、このことは親の日常的な悩み相談など、きちんと受けられなくなります。これまでの保育制度は、所得にかかわらず、同じ保育を保障する子どものセーフティネットとして機能してきました。福祉的役割が大きく後退することは、「子どもの貧困」を広げ、子どもたち、保護者に重大な困難をもたらすものです。
④民間企業参入では、保育内容の低下を引き起こすことや、企業が赤字になると撤退することが起きます。このことは、即、子ども達や保護者への影響が起きます。
⑤「幼保一体化」は関係者・団体も納得できていません。満3歳以上、午前4時間を基本とする学校教育施設の幼稚園と、働く親と子を支え長時間の保育を行う児童福祉施設の保育所とは根本的に歴史も役割も違うためです。
以上5点の主な問題があります。
●国に対し、子ども・子育て新システムは実施しないよう、また、子ども達を守り、育てるために保育の公的責任を守り、拡充するよう、求めるべきです。市に対しても同様に求めますが、見解をおききします。
待機児童解消についてです。
子ども・子育て新システムの1つでは、幼稚園から移行する子ども園では幼稚園の空き定員が0歳~2歳児の待機児童解消になるとは考えられません。
また、2つ目は、新システムでは、市町村の保育実施義務がなくなり、そのため、計画通り0歳~2歳児の定員が増えるかどうかは民間次第です。0~2歳児は子どもに対して保育士の数が多く必要とされることから民間では、これまでも0~2歳児定数を増やすことを進んで実施していません。現在の待機児は0~2歳児が大半です。「子ども子育て新システム」は待機児解消にならないと考えます。
●今年6月1日時点、寝屋川市の待機児童数35人、潜在的待機児童数387人併せて422人だったものが、8月1日時点、待機児童数54人、潜在的待機児童数457人、併せて511人となっています。2ヶ月で89人増加しています。その内、0歳~2歳児の待機児・潜在的待機児は、475人です。これは全体の待機児・潜在的待機児数からみて約93%にものぼっています。
来年4月1日、香里園地域で120人定員が増加しますが、0~2歳児の入所増は3分の1程度の40人程です。まだまだ、不足です。認可保育所増設・新設による待機児解消を求めます。お聞きします。
●待機児解消に向けて一定の財源保障が必要です。市として国に財源保障を増やさせるよう求めるべきです。見解をお聞きします。
次に中学校給食についてです。
市は2013年度から中学校給食を実施されることで、中学校給食検討委員会が6回のうち3回開催されています。
学校給食法第5条は、「国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達をはかるように努めなければならない」と謳われています。
また、食育基本法前文では、食育を「生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるべきもの」と位置づけています。
●3月議会では、検討委員会に生徒も含むとしていました。調理員・栄養職員・生徒の声を検討の軸にすべきであり、今からでも現場の調理員・栄養職員や生徒また、給食を良くする会などの団体の意見、声をとりいれるべきです。
お聞きします。
貧困問題、食の安全、偏食やアレルギー、孤食など課題が多い中、子どもたちの発達のゆがみや健康破壊の一因が、食生活と大きく関わっていることから、「何を食べるのか」「どう食べるのか」が問われます。学校給食が果たす役割は大きいこと、また、子どもたち一人一人が、食についての意識を高め、食生活の中で実践する力を身につけることが教育の課題となっています。
とりわけ子どもたちにとって学校給食は生きる意欲と力を育てる「食の教科書」と言えます。
●教育の課題を実践するためには、専門家の栄養教諭の配置や必要な教職員の人員確保も行うことが重要です。また、小学校給食でも取り入れられていますが、中学校給食でも地元の安全な食材を使った給食がもとめられ、地産地消をすすめるべきだと考えます。見解をお聞きします。
●検討委員会で提案されている中で、行政の監視が行き届かない安全・質の確保が困難なデリバリー方式は学校給食法に基づく方式といえず、除外すべきと考えますが、お聞きします。
今年8月、寝屋川市の中学生サミットが行われ、当日サミット参加の生徒62人に中学校給食導入に向けてのアンケートが行われました。小学校での給食について、大変満足32%、まあまあ満足35%、普通24%で全体の91%を占めています。何が良かったですかの問には、味・量・メニューなど内容が、43%、温かいものが食べられた31%、弁当を持って来なくて良かった21%、その他にみんなで同じものを食べられた、栄養のバランス等でした。
小学校での休職が子ども達に公表であったといえます。どの様な中学校給食になればいいと思いますかの問には、とにかくおいしいが35%、栄養バランスは32%、温かいものや冷たいもの11%などです。
業務委託では、決められたことしかできない例があります。大きな固まりを咀嚼できず、飲み込みできない子の場合、職員が「酢豚の固まりを小さく切ってほしい」、と民間委託の調理員にお願いしたところ「できない」と断られたと聞きました。業務委託であれば契約上できないことであります。業務委託などでは困難です。直営だからこそ、子ども達の顔が見え、臨機応変に子どもの体調が伝わる給食調理ができます。苦手な食べ物を食べられるように声かけ働きかける事ができます。
●直営だからこそできる食育、学校給食法に基づく給食が取り組めます。自校直営での中学校給食を求めます。見解をお聞きします。
●自校直営を行う場所についてですが、中学校は災害時の避難場所となっています。災害が何時起きるかといわれていますが、給食調理室の確保では、雨水貯留層施設の実施されている学校や、グランドだけでなく、敷地が狭くて600㎡を確保することが厳しい学校などは、給食調理施設を2階建てにしリフトを設置する等、中学校にも給食調理室をつくり、自校直営給食にとりくむべきと、その努力を行うよう検討すべきと考えますが、いかがですか。
●中学校給食実施にあたって従来、小学校給食費は就学援助の中で、学校給食費として実費で支給されていますが、中学校給食費も同様に実費で支給されるようもとめますが、お聞きします。
●大阪府へ施設整備費など初期投資への補助率を2分の1から3分に2へと引き上げることと、補助金の上限額を引き上げるようにもとめるべきです。見解をお聞きします。
●学校給食に必要な施設整備費や、人件費など運営経費について国に対し補助を拡充するようもとめるべきと考えます。見解をお聞きします。
次に介護保険についてです。
保険料、利用料減免についてです。
2012年度、介護保険料見直しがされます。介護保険料が高いという声が日本共産党のアンケートでも国民健康保険と同様にトップで多くの方から寄せられました。介護給付準備基金は2010年度末で約12億5千万円にのぼり、今年度末では、約9億5千万円の見込みだとお聞きしています。
●介護給付準備基金は、高齢者から取り過ぎていたもので、高齢者に還元すべきだと考えます。見解をお聞きします。
●今年4月の選挙で市長は介護保険料を引き下げると公約しました。現行の保険料は、第9段階中、第5段階で4,240円です。目に見えた引き下げを行うよう求めますが、お聞きします。
また、保険料引き下げは、基金はもとより、一般会計からも繰り入れして行うようもとめます。見解をお聞きします。
●保険料を年金から勝手に差し引かれ、サービスを利用したくても利用料が払えないためサービスが受けられない人、毎日の生活が困難な人など考慮し、保険料独自減免が求められています。介護保険料独自減免は、大阪府内で80%の市町村で実施されています。北河内では、枚方市・大東市・交野市で実施され、実施条件は各市それぞれ違いますが、枚方市では2010年度減免件数は592人で、減免金額は4,957,600円です。寝屋川市としても保険料減免制度の創設を求めます。あわせて利用料減免制度の創設も求めます。見解をお聞きします。
改定介護保険法についてです。
今年6月15日、改定介護保険法は、2012年4月施行で成立しました。
今回の改定は、要支援者の受け皿として規制の緩い安上がりなサービスを「総合事業」として創設し、要支援者を保険給付の対象外にする仕掛けをつくろうとしています。
①「総合事業」は、要支援1・2と介護保険非該当の高齢者を対象とした事業で、予防給付のうち市町村が定めるものと、配食、見守り等の生活支援、権利擁護などを総合的に支給するとされています。
財源は、介護保険財政からでるものの上限付きで全体の3%以内です。
サービス内容、職員の資格と人数、施設設備、事業者への報酬と利用料については、保険給付のような全国基準がなく、市町村の裁量で実施されます。そのため市町村によって格差の拡大のおそれがあります。
②「要介護」「要支援」ともに介護保険の指定サービスを受ける権利を持っています。この受給権を誰もが侵すことができません。ところが「総合事業」が導入されると「要支援」の人は、介護保険給付のヘルパーやディサービスの利用をするのか、「総合事業」を利用するのか、を自分で決めることはできません。どちらを利用するかは「地域包括支援センター、最終には市町村が判断する」とされています。認定は受けたけれど認めてもらえなければ介護保険が使えない可能性があります。このことは要支援者の保険給付を受ける権利を侵害することになりかねません。
③「総合事業」の訪問や通所サービスを利用した場合、保険給付の同種サービスは利用できなくなります。また、「総合事業」では介護保険を使えませんから利用料がどれくらいに増額になるのかわかりません。
④ 「総合事業」の問題点では、第1にサービスの質を担保する法令上の基準がないことです。「サービスの担い手は、ボランティア等、多様なマンパワーを活用するとされており、基準なくサービス低下のおそれがあります。
配食サービスで充分だとし、ホームヘルパーによる調理などの生活援助を取り上げることなどのおそれがあります。ホームヘルパーの援助は、単なる家事の手助けとは違います。利用者と関係を築きながら生活援助を行う中で、心身の状況や生活環境に応じて働きかけ、生活への意欲を引き出す専門職です。 状態が軽い人への対策を尽くす事は重度化を防ぎ、認知症や寝たきりなどを予防する事にもつながります。症状が軽いからというだけで保険給付の対象からはずし、安上がりの事業にゆだねる改定は、介護を予防する上でも逆の対策です。
また、医療専門職が行うべき医療ケアを介護職員に押しつける内容も含まれ、介護現場では問題になっています。
●改定介護保険法では「総合事業」を導入するかどうかは「市町村の判断」とされ、厚労省も「完全な市町村の裁量である」としています。実施は法的には「任意」です。市町村が要支援者を介護保険サービスから対象外にできるしくみを導入するものです。市として総合事業を導入しないこと、実態に見合った必要なサービスを受けられるようにすることを求めます。見解をお聞きします。
「定期巡回・随時対応訪問看護介護」についてです。
今回の改正で、「地域包括ケアを支える基礎的サービス」として新たに登場したのが、「定期巡回・随時対応訪問看護介護」です。このサービスは、重度者をはじめとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が密接に連携しながら、短時間の定期巡回型訪問と随時の対応を行う「定期巡回・随時対応サービス」と説明されています。これまでの訪問介護が1回30分以上が大半で、訪問回数も平均1日0.6回であったのに対し、「定期巡回・随時対応型」は、1回5分~15分程度の短時間で1日に数回定期巡回して訪問するというものです。
さらに、夜間などは、利用者からの通報により「電話・コール等による応対、訪問などの随時対応」を行うとしています。
しかし、疑問が多くあります。第1に人員体制が「事業のイメージ」として「介護職員」22.8人、看護職員1.71人と看護職員はわずかです。「改正法」の内容では、看護職員なしの事業所も認めるものとなっています。これで訪問介護・訪問看護の「一体的提供」ができるのかが問われます。
第2に24時間対応する「常駐オペレータ」の対応についても利用者からの緊急コールに即時に訪問対応することが困難な人員配置です。
第3に特別養護老人ホームでは、一人の要介護者にたいし、1日あたり17回から28回のサービスの提供を行っていますが、「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会報告書」のモデルでは1日4回から7回の訪問が大半を示していることです。これで本当に重度の単身者が生活できるサービスになるか問われます。
また、この報告書では、「巡回・随時対応型」の介護報酬は、「包括定額払い」とされており、事業者によっては、人件費を節約するために訪問回数を減らすような事態も生じかねません。
●「定期巡回・随時対応型」は、人員体制の確立、訪問回数は在宅の要介護者が人間らしく生活できるものにするよう求めるべきです。いかがですか。
そして最大の危惧は、「定期巡回・随時対応型」を利用した場合、同種の既存サービスの訪問介護、訪問看護が利用できなくなるのではないかということです。特に自宅での食事の介助や入浴の介助など手間と時間がかかり、短時間で終わらない介護や日常生活に欠かせない家事を担う生活援助は訪問介護のヘルパーでこそ提供できるものです。
●「定期巡回・随時対応型」と従来の介護ヘルパーの身体介護や生活援助が受けられるよう国にもとめるべきです。見解をお聞きします。
●介護療養病床の6年延期と言わず、現存の介護療養病床を廃止せず、存続することを国にもとめるべきです。お聞きします。
次に「月額包括制報酬」についてです。
現行介護保険では、要介護度や利用者の必要性によっても異なりますが、ヘルパー、ディサービスの「月額包括制報酬」では週1回でも、3回の利用でも、週半日利用でも1日利用の月額同額になっています。これによってあまり時間、回数を受けられなくなったという声があります。
●利用者に負担や事業者の運営が厳しくなるなどの問題がある介護報酬の「月額包括制報酬」を国に対し廃止するよう求めるべきです。お聞きします。
次に第5次保健福祉計画についてです。
11年前、の2000年4月に「介護の社会化」「みんなで支える老後の安心」を合い言葉に介護保険制度は、始まりました。しかし、寝屋川市の特別養護老人ホーム入所待機者は今年8月1日現在、重複なしで561人に上っています。必要な施設が不足です。
また、要介護度別介護サービス利用率は最低で要支援2が38、4%~最高、要介護5の55%となっています。
●第5期保健福祉計画策定のため審議され2012年1月頃まとめるとしていますが、保険料・利用料の負担を軽減し、経済的理由で介護を受けられない人をなくし、軽度者から「介護の取り上げ」をやめ、特別養護老人ホームの待機者解消し、高齢者の生活支援や健康づくりに自治体が責任を果たすことができる計画を求めます。見解をお聞きします。
次に小児救急についてです。
小児夜間救急センターは、2010年11月から枚方市に移転しましたが、それまで寝屋川市の利用は52.6%でしたが移転後18.5%に減少しています。
今年4月から7月までの利用率も17.8%と減少している状況です。寝屋川市の市役所前にあった時と比べ、枚方市の移転先では病気の子どもを連れて行くことが、困難になっているといえます。
●寝屋川市として関西医大香里病院などに小児救急体制を強くもとめます。見解をお聞きします。
最後にワクチン接種について
ヒブワクチン、子宮頸ガンワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンと子どもへのワクチン助成実施が進められています。
府内43市町村の内、約63%の27市町村で自己負担無料で実施されています。
寝屋川市では接種費用1回1,000円となっていますが、ヒブワクチンは、2ヶ月~5歳未満で1回~4回、小児用肺球菌ワクチンは、2ヶ月~5歳未満で1~4回 子宮頸ガンは、中学生~高校生1・2年生までで3回としています。子どもの多い家庭では特に接種したくても負担が大きいという声があります。
●小児用3種ワクチンの費用負担の無料化を求めます。見解をお聞きします。
この低い水準をあえて国が廃止したのは、現行最低基準を緩めて低い基準を自治体が定め、現行施設・職員数のままで児童定員だけを増加させて待機児解消するためです。最低基準の引き下げは、新たな施設だけでなく、既存施設にも適用されます。最低基準の引き下げは、子ども達の発達また、安全や命の保障ができなくなると危惧されます。
●市は、これまでの最低基準を守り、拡充をはかるよう努力すべきです。見解をお聞きします。
子ども・子育て新システムについてです。
3月11日に起きました東日本大震災では、死亡行方不明者が2万人を超す未曾有の大災害となりました。放射能の影響を受けやすいこどもの場合チェルノブイリ周辺地域で生じたように、将来的に、内部被爆が原因となる甲状腺ガンなどの多発が懸念されます。1995年の阪神・淡路大震災の場合と比べ、国の対応は鈍く被害が甚大で、被災地域が広範囲にわたることもありますが、高齢者介護の分野では、2000年から施行された介護保険法による公的責任の後退がひびき、施設・事業者任せとなり、医療・保健との連携も不十分です。それが、高齢者の災害関連死の多発にもつながっています。
民間介護事業者は、災害救助法等の例外的措置以外は、自力再建が原則となっています。そのため被災した介護事業者の休所や廃所が相次いでいます。大半が再開のめどが立っていないという実態です。
そのような中、子どもの生活も危険にさらされています。震災で家族や住まいを失った子供達のために、保育の必要性は高まっていますが、国の対応は後手にまわっています。阪神・淡路大震災の時は、震災1週間後に、被災し保育を行えない保育所でも職員の雇用保障のための運営費、人件費部分の支払いや被災者を受け入れた保育所への措置費の支払いなどを行うよう、事務連絡が出され、保育料の減免についても1ヶ月から3ヶ月程ですが、国庫補助の対象で免除の通知がありました。
今回は措置費の事務連絡がありましたが、保育料の免除については市町村の判断と負担で行うとされました。しかし、市町村に保育の実施義務が残っている現在の保育制度のもとでは、介護事業者に比べ、保育所の再建もすすみ、被災地域の子育て支援の拠点の役割を果たしつつあります。
今回の大震災で児童福祉、特に保育の公的責任の重要性があらためて浮き彫りになったといえます。
そんな中、政府は来年1月、遅くても3月までに「子ども・子育て新システム」を決めようとしています。内容は「幼保一体化」や最低基準の撤廃などすすめ、公的保育制度を解体し、介護保険と同じ仕組みにしようとするものです。
子ども・子育て新システムの内容として、
①市町村の仕事は、主に時間刻みの保育時間の認定、「幼保一体給付」への補助金を支払う事が中心となり、これまで市に申込みすれば市が窓口となって保育所入所できる時など、市から連絡がありますが、新システムでは、保護者が直接に保育所と契約を行わなければいけないなど、これまでの市町村の公的責任をなくしてしまうものです。
②所得層の高い家庭は保育所の選択ができますが、保育料は応悩負担から応益負担となり、所得の低い家庭では、選ぶことができません。また、保護者は直接に保育事業所に保育料を支払うため、保護者が保育料を滞納すれば、事業所は滞納していることがわかりますから、退園させられる可能性があります。
③施設側に利用者を選ぶ権利がある限り、とりわけ、社会的に不利な立場であります障害児、一人親、低所得の世帯が「障害児を保育する施設がない」とか、「空きがない」などと口実をつくり、必要な保育を受けられなくなることが懸念されます。
また、このことは親の日常的な悩み相談など、きちんと受けられなくなります。これまでの保育制度は、所得にかかわらず、同じ保育を保障する子どものセーフティネットとして機能してきました。福祉的役割が大きく後退することは、「子どもの貧困」を広げ、子どもたち、保護者に重大な困難をもたらすものです。
④民間企業参入では、保育内容の低下を引き起こすことや、企業が赤字になると撤退することが起きます。このことは、即、子ども達や保護者への影響が起きます。
⑤「幼保一体化」は関係者・団体も納得できていません。満3歳以上、午前4時間を基本とする学校教育施設の幼稚園と、働く親と子を支え長時間の保育を行う児童福祉施設の保育所とは根本的に歴史も役割も違うためです。
以上5点の主な問題があります。
●国に対し、子ども・子育て新システムは実施しないよう、また、子ども達を守り、育てるために保育の公的責任を守り、拡充するよう、求めるべきです。市に対しても同様に求めますが、見解をおききします。
待機児童解消についてです。
子ども・子育て新システムの1つでは、幼稚園から移行する子ども園では幼稚園の空き定員が0歳~2歳児の待機児童解消になるとは考えられません。
また、2つ目は、新システムでは、市町村の保育実施義務がなくなり、そのため、計画通り0歳~2歳児の定員が増えるかどうかは民間次第です。0~2歳児は子どもに対して保育士の数が多く必要とされることから民間では、これまでも0~2歳児定数を増やすことを進んで実施していません。現在の待機児は0~2歳児が大半です。「子ども子育て新システム」は待機児解消にならないと考えます。
●今年6月1日時点、寝屋川市の待機児童数35人、潜在的待機児童数387人併せて422人だったものが、8月1日時点、待機児童数54人、潜在的待機児童数457人、併せて511人となっています。2ヶ月で89人増加しています。その内、0歳~2歳児の待機児・潜在的待機児は、475人です。これは全体の待機児・潜在的待機児数からみて約93%にものぼっています。
来年4月1日、香里園地域で120人定員が増加しますが、0~2歳児の入所増は3分の1程度の40人程です。まだまだ、不足です。認可保育所増設・新設による待機児解消を求めます。お聞きします。
●待機児解消に向けて一定の財源保障が必要です。市として国に財源保障を増やさせるよう求めるべきです。見解をお聞きします。
次に中学校給食についてです。
市は2013年度から中学校給食を実施されることで、中学校給食検討委員会が6回のうち3回開催されています。
学校給食法第5条は、「国及び地方公共団体は、学校給食の普及と健全な発達をはかるように努めなければならない」と謳われています。
また、食育基本法前文では、食育を「生きる上での基本であって、知育、徳育、体育の基礎となるべきもの」と位置づけています。
●3月議会では、検討委員会に生徒も含むとしていました。調理員・栄養職員・生徒の声を検討の軸にすべきであり、今からでも現場の調理員・栄養職員や生徒また、給食を良くする会などの団体の意見、声をとりいれるべきです。
お聞きします。
貧困問題、食の安全、偏食やアレルギー、孤食など課題が多い中、子どもたちの発達のゆがみや健康破壊の一因が、食生活と大きく関わっていることから、「何を食べるのか」「どう食べるのか」が問われます。学校給食が果たす役割は大きいこと、また、子どもたち一人一人が、食についての意識を高め、食生活の中で実践する力を身につけることが教育の課題となっています。
とりわけ子どもたちにとって学校給食は生きる意欲と力を育てる「食の教科書」と言えます。
●教育の課題を実践するためには、専門家の栄養教諭の配置や必要な教職員の人員確保も行うことが重要です。また、小学校給食でも取り入れられていますが、中学校給食でも地元の安全な食材を使った給食がもとめられ、地産地消をすすめるべきだと考えます。見解をお聞きします。
●検討委員会で提案されている中で、行政の監視が行き届かない安全・質の確保が困難なデリバリー方式は学校給食法に基づく方式といえず、除外すべきと考えますが、お聞きします。
今年8月、寝屋川市の中学生サミットが行われ、当日サミット参加の生徒62人に中学校給食導入に向けてのアンケートが行われました。小学校での給食について、大変満足32%、まあまあ満足35%、普通24%で全体の91%を占めています。何が良かったですかの問には、味・量・メニューなど内容が、43%、温かいものが食べられた31%、弁当を持って来なくて良かった21%、その他にみんなで同じものを食べられた、栄養のバランス等でした。
小学校での休職が子ども達に公表であったといえます。どの様な中学校給食になればいいと思いますかの問には、とにかくおいしいが35%、栄養バランスは32%、温かいものや冷たいもの11%などです。
業務委託では、決められたことしかできない例があります。大きな固まりを咀嚼できず、飲み込みできない子の場合、職員が「酢豚の固まりを小さく切ってほしい」、と民間委託の調理員にお願いしたところ「できない」と断られたと聞きました。業務委託であれば契約上できないことであります。業務委託などでは困難です。直営だからこそ、子ども達の顔が見え、臨機応変に子どもの体調が伝わる給食調理ができます。苦手な食べ物を食べられるように声かけ働きかける事ができます。
●直営だからこそできる食育、学校給食法に基づく給食が取り組めます。自校直営での中学校給食を求めます。見解をお聞きします。
●自校直営を行う場所についてですが、中学校は災害時の避難場所となっています。災害が何時起きるかといわれていますが、給食調理室の確保では、雨水貯留層施設の実施されている学校や、グランドだけでなく、敷地が狭くて600㎡を確保することが厳しい学校などは、給食調理施設を2階建てにしリフトを設置する等、中学校にも給食調理室をつくり、自校直営給食にとりくむべきと、その努力を行うよう検討すべきと考えますが、いかがですか。
●中学校給食実施にあたって従来、小学校給食費は就学援助の中で、学校給食費として実費で支給されていますが、中学校給食費も同様に実費で支給されるようもとめますが、お聞きします。
●大阪府へ施設整備費など初期投資への補助率を2分の1から3分に2へと引き上げることと、補助金の上限額を引き上げるようにもとめるべきです。見解をお聞きします。
●学校給食に必要な施設整備費や、人件費など運営経費について国に対し補助を拡充するようもとめるべきと考えます。見解をお聞きします。
次に介護保険についてです。
保険料、利用料減免についてです。
2012年度、介護保険料見直しがされます。介護保険料が高いという声が日本共産党のアンケートでも国民健康保険と同様にトップで多くの方から寄せられました。介護給付準備基金は2010年度末で約12億5千万円にのぼり、今年度末では、約9億5千万円の見込みだとお聞きしています。
●介護給付準備基金は、高齢者から取り過ぎていたもので、高齢者に還元すべきだと考えます。見解をお聞きします。
●今年4月の選挙で市長は介護保険料を引き下げると公約しました。現行の保険料は、第9段階中、第5段階で4,240円です。目に見えた引き下げを行うよう求めますが、お聞きします。
また、保険料引き下げは、基金はもとより、一般会計からも繰り入れして行うようもとめます。見解をお聞きします。
●保険料を年金から勝手に差し引かれ、サービスを利用したくても利用料が払えないためサービスが受けられない人、毎日の生活が困難な人など考慮し、保険料独自減免が求められています。介護保険料独自減免は、大阪府内で80%の市町村で実施されています。北河内では、枚方市・大東市・交野市で実施され、実施条件は各市それぞれ違いますが、枚方市では2010年度減免件数は592人で、減免金額は4,957,600円です。寝屋川市としても保険料減免制度の創設を求めます。あわせて利用料減免制度の創設も求めます。見解をお聞きします。
改定介護保険法についてです。
今年6月15日、改定介護保険法は、2012年4月施行で成立しました。
今回の改定は、要支援者の受け皿として規制の緩い安上がりなサービスを「総合事業」として創設し、要支援者を保険給付の対象外にする仕掛けをつくろうとしています。
①「総合事業」は、要支援1・2と介護保険非該当の高齢者を対象とした事業で、予防給付のうち市町村が定めるものと、配食、見守り等の生活支援、権利擁護などを総合的に支給するとされています。
財源は、介護保険財政からでるものの上限付きで全体の3%以内です。
サービス内容、職員の資格と人数、施設設備、事業者への報酬と利用料については、保険給付のような全国基準がなく、市町村の裁量で実施されます。そのため市町村によって格差の拡大のおそれがあります。
②「要介護」「要支援」ともに介護保険の指定サービスを受ける権利を持っています。この受給権を誰もが侵すことができません。ところが「総合事業」が導入されると「要支援」の人は、介護保険給付のヘルパーやディサービスの利用をするのか、「総合事業」を利用するのか、を自分で決めることはできません。どちらを利用するかは「地域包括支援センター、最終には市町村が判断する」とされています。認定は受けたけれど認めてもらえなければ介護保険が使えない可能性があります。このことは要支援者の保険給付を受ける権利を侵害することになりかねません。
③「総合事業」の訪問や通所サービスを利用した場合、保険給付の同種サービスは利用できなくなります。また、「総合事業」では介護保険を使えませんから利用料がどれくらいに増額になるのかわかりません。
④ 「総合事業」の問題点では、第1にサービスの質を担保する法令上の基準がないことです。「サービスの担い手は、ボランティア等、多様なマンパワーを活用するとされており、基準なくサービス低下のおそれがあります。
配食サービスで充分だとし、ホームヘルパーによる調理などの生活援助を取り上げることなどのおそれがあります。ホームヘルパーの援助は、単なる家事の手助けとは違います。利用者と関係を築きながら生活援助を行う中で、心身の状況や生活環境に応じて働きかけ、生活への意欲を引き出す専門職です。 状態が軽い人への対策を尽くす事は重度化を防ぎ、認知症や寝たきりなどを予防する事にもつながります。症状が軽いからというだけで保険給付の対象からはずし、安上がりの事業にゆだねる改定は、介護を予防する上でも逆の対策です。
また、医療専門職が行うべき医療ケアを介護職員に押しつける内容も含まれ、介護現場では問題になっています。
●改定介護保険法では「総合事業」を導入するかどうかは「市町村の判断」とされ、厚労省も「完全な市町村の裁量である」としています。実施は法的には「任意」です。市町村が要支援者を介護保険サービスから対象外にできるしくみを導入するものです。市として総合事業を導入しないこと、実態に見合った必要なサービスを受けられるようにすることを求めます。見解をお聞きします。
「定期巡回・随時対応訪問看護介護」についてです。
今回の改正で、「地域包括ケアを支える基礎的サービス」として新たに登場したのが、「定期巡回・随時対応訪問看護介護」です。このサービスは、重度者をはじめとした要介護高齢者の在宅生活を支えるため、日中・夜間を通じて、訪問介護と訪問看護が密接に連携しながら、短時間の定期巡回型訪問と随時の対応を行う「定期巡回・随時対応サービス」と説明されています。これまでの訪問介護が1回30分以上が大半で、訪問回数も平均1日0.6回であったのに対し、「定期巡回・随時対応型」は、1回5分~15分程度の短時間で1日に数回定期巡回して訪問するというものです。
さらに、夜間などは、利用者からの通報により「電話・コール等による応対、訪問などの随時対応」を行うとしています。
しかし、疑問が多くあります。第1に人員体制が「事業のイメージ」として「介護職員」22.8人、看護職員1.71人と看護職員はわずかです。「改正法」の内容では、看護職員なしの事業所も認めるものとなっています。これで訪問介護・訪問看護の「一体的提供」ができるのかが問われます。
第2に24時間対応する「常駐オペレータ」の対応についても利用者からの緊急コールに即時に訪問対応することが困難な人員配置です。
第3に特別養護老人ホームでは、一人の要介護者にたいし、1日あたり17回から28回のサービスの提供を行っていますが、「24時間地域巡回型訪問サービスのあり方検討会報告書」のモデルでは1日4回から7回の訪問が大半を示していることです。これで本当に重度の単身者が生活できるサービスになるか問われます。
また、この報告書では、「巡回・随時対応型」の介護報酬は、「包括定額払い」とされており、事業者によっては、人件費を節約するために訪問回数を減らすような事態も生じかねません。
●「定期巡回・随時対応型」は、人員体制の確立、訪問回数は在宅の要介護者が人間らしく生活できるものにするよう求めるべきです。いかがですか。
そして最大の危惧は、「定期巡回・随時対応型」を利用した場合、同種の既存サービスの訪問介護、訪問看護が利用できなくなるのではないかということです。特に自宅での食事の介助や入浴の介助など手間と時間がかかり、短時間で終わらない介護や日常生活に欠かせない家事を担う生活援助は訪問介護のヘルパーでこそ提供できるものです。
●「定期巡回・随時対応型」と従来の介護ヘルパーの身体介護や生活援助が受けられるよう国にもとめるべきです。見解をお聞きします。
●介護療養病床の6年延期と言わず、現存の介護療養病床を廃止せず、存続することを国にもとめるべきです。お聞きします。
次に「月額包括制報酬」についてです。
現行介護保険では、要介護度や利用者の必要性によっても異なりますが、ヘルパー、ディサービスの「月額包括制報酬」では週1回でも、3回の利用でも、週半日利用でも1日利用の月額同額になっています。これによってあまり時間、回数を受けられなくなったという声があります。
●利用者に負担や事業者の運営が厳しくなるなどの問題がある介護報酬の「月額包括制報酬」を国に対し廃止するよう求めるべきです。お聞きします。
次に第5次保健福祉計画についてです。
11年前、の2000年4月に「介護の社会化」「みんなで支える老後の安心」を合い言葉に介護保険制度は、始まりました。しかし、寝屋川市の特別養護老人ホーム入所待機者は今年8月1日現在、重複なしで561人に上っています。必要な施設が不足です。
また、要介護度別介護サービス利用率は最低で要支援2が38、4%~最高、要介護5の55%となっています。
●第5期保健福祉計画策定のため審議され2012年1月頃まとめるとしていますが、保険料・利用料の負担を軽減し、経済的理由で介護を受けられない人をなくし、軽度者から「介護の取り上げ」をやめ、特別養護老人ホームの待機者解消し、高齢者の生活支援や健康づくりに自治体が責任を果たすことができる計画を求めます。見解をお聞きします。
次に小児救急についてです。
小児夜間救急センターは、2010年11月から枚方市に移転しましたが、それまで寝屋川市の利用は52.6%でしたが移転後18.5%に減少しています。
今年4月から7月までの利用率も17.8%と減少している状況です。寝屋川市の市役所前にあった時と比べ、枚方市の移転先では病気の子どもを連れて行くことが、困難になっているといえます。
●寝屋川市として関西医大香里病院などに小児救急体制を強くもとめます。見解をお聞きします。
最後にワクチン接種について
ヒブワクチン、子宮頸ガンワクチン、小児用肺炎球菌ワクチンと子どもへのワクチン助成実施が進められています。
府内43市町村の内、約63%の27市町村で自己負担無料で実施されています。
寝屋川市では接種費用1回1,000円となっていますが、ヒブワクチンは、2ヶ月~5歳未満で1回~4回、小児用肺球菌ワクチンは、2ヶ月~5歳未満で1~4回 子宮頸ガンは、中学生~高校生1・2年生までで3回としています。子どもの多い家庭では特に接種したくても負担が大きいという声があります。
●小児用3種ワクチンの費用負担の無料化を求めます。見解をお聞きします。