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一般質問

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中谷 光夫議員が一般質問(07年9月市議会)

2007-09-19
 カテゴリー:未分類/ 投稿者: webmaster / 投稿日時: 2007/09/19 (水) PM 01:59 

○最初に、廃プラ問題についてです。

  打上地域の廃プラ処理4市共同施設と民間廃プラ再処理施設の建設と操業に関して、周辺住民が市に説明を求め、廃プラ処理による公害から健康と環境を守るために、重大な問題提起をされてから3年以上が経過しました。現在、本裁判で、原告、被告双方の証人に対する尋問が進行する重要な局面を迎えています。私も幾度か傍聴しました。この間明らかに、廃プラ問題は、当初の杉並病に通じる健康被害のおそれが提起された状況から、イコール社の本格操業が始まった2006年4月以降、健康被害を訴える人が増え、岡山大学の津田教授らによる疫学調査で、イコール社の操業と周辺住民の健康症状との強い相関関係が示唆されたことで、現実の健康被害が争点の中心に変わってきました。
  私も、あらためて、この間とりあげてきた廃プラ問題の内容を整理し、裁判で明らかになった点を踏まえながら、端的に質問します。

(1)一つめは、太秦地域を中心に、周辺住民が訴えている健康被害についてです。眼や鼻、のどなどの粘膜系の被害の訴え、空気にふれる皮膚の被害の訴えが、昨年7月~8月にかけての津田教授らによる疫学調査で、イコール社から700m以内、700m~1000m、2800mの1579名の住民を比較対照したところ、2800m地点に比べ、約5倍以上、イコール社に近いほど割合が高いこと、また、一昨年夏より増えていること、居住地に長くいる人ほど割合が高いことが明らかになりました。
  裁判では、被告側は、調査手法についての質問はしましたが、健康被害の事実そのものについては疑義を唱えませんでした。
  寝屋川市は、住民が一貫して求めている「健康調査」をおこなうべきではありませんか。見解をお聞きします。


(2)二つめは、イコール社に関する有害化学物質の発生についての調査に関してです。
  1つは、イコール社がおこなった2005年6月30日、7月1日の環境調査についてです。今年7月24日の裁判では、この調査をおこなった環境管理セン ターの朝来野国彦氏への原告側反対尋問で、杉並で実施されたような化学物質の全数調査でなかったこと、フル操業にほど遠い状態であったこと、また、当日調 査時の寝屋川市役所局の風向は、比較対照地点が風上にあったことを示し、風速は平均5.5mと強く、化学物質が拡散希釈されやすい日であったことが明らか になりました。にもかかわらず、調査結果は、かなりの化学物質が敷地境界より比較対照地点で濃度が大きく、しかもそれらのほとんどが、全国平均値がわかる 物質の年間平均値と比べ高いことを示しました。中でもダイオキシン類は、比較対照地点で成型機近傍や成型機側敷地境界の値より高く、全国平均値の約8倍と きわめて高濃度を示しました。まさにダイオキシンの発生が疑われる施設であることを示しました。

  次に、イコール社が2006年9月23日におこなった大気環境調査です。この調査は、悪臭はしないから事前の環境影響調査はしないとしていたイコール社 が、周辺住民の苦情が増加する中、7月末に工程の一部、成型機に脱臭装置を設置した後に、工場内外でおこなったものです。この調査結果でも敷地境界より 400m離れた比較対照地点の方が高い濃度を示す化学物質が多くありました。こうした事実は、仮処分裁判で被告側が主張した「100m離れれば1000倍 に拡散希釈される」ことが実際ではないことを示しています。また、この時は、寝屋川市役所局の風向では、比較対照地点はほぼ風下にあったものの、風速は約 4mとやや強く、拡散希釈が大きい時間帯でした。
  以上の調査結果からみて、物質によっては、敷地境界測定地点の上の方を通って、工場からかなり離れた地域まで影響の可能性が高いことがわかります。
  次に、寝屋川市がイコール社を対象としておこなった2006年7月26日、7月末、脱臭装置設置後の9月7日の臭気測定についてです。工場北側(正門 前)、工場西側(住宅側)、住宅内(約500m離れた浄水場前)の3カ所で悪臭22物質を測定しています。この調査は、通常操業の半分という問題がありま す。現在の悪臭、化学物質の問題は、環境省の情報にもあるように、「実際には存在するが測定対象にしていない物質」、いわゆるアンノウン (unknown)未知の物質が多種、多量にある状況をふまえることが重要になっています。環境省、大阪府は、方針として、臭気全体を嗅覚で判定する臭気 指数法の導入を進めています。イコール社のように、悪臭22物質に限らない化学物質の発生が測定されている場合、寝屋川市がおこなった調査は、まったく不 十分と言わなければなりません。

  この間、寝屋川市は、イコール社や寝屋川市がおこなった調査をもって、「安全宣言」をおこなってきました。しかし、これらの不十分な調査からも、いくつか の重大な問題を指摘することができます。定量下限値を超えた測定値が示されたアセトアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒドについてです。①この2物質は、 脱臭装置設置前より設置後で、3カ所とも濃度が高くなっていること。②2回の調査とも、工場側の2地点より500m離れた地点で高い濃度を示しているこ と。③とくにアセトアルデヒドの値34μg/m3は、2005年度の全国有害化学物質モニタリング調査の平均値の12倍、最大値の5倍という高い濃度であ ること、などです。アセトアルデヒドの(シックハウス症候群の)室内指針値は48μg/m3であり、この地域ではアセトアルデヒドがほとんど出ない家に住 まないと、指針値を超えることになります。アセトアルデヒド一つとってみても、この地域が広く化学物質によって汚染される状況にあること、また、脱臭装置 設置の効果が万全と言えないことが示されました。
  以上、紹介したように、イコール社の環境調査は、信頼性に欠けることは明らかです。また、寝屋川市の調査も同様です。これまで、「安全」、「大丈夫」をくり返してきた答弁、行政姿勢の反省を求めます。今後どうしていくのか、そのことと合わせ、明確な答弁を求めます。

(3)次に柳沢幸雄東大教授等の調査についてです。

  先に紹介した調査とは別に、裁判で、原告側の証人に立たれた柳沢幸雄東大教授等がおこなった2006年3月と6月の民間廃プラ再処理工場周辺における臭気 の有無と揮発性有機化合物質(VOC)濃度の相関をみる実測調査、非メタン炭化水素(NMHC)と窒素酸化物(NOx)の比の年次推移と廃プラ処理量との 相関関係を表した調査などがあります。
  年次推移のグラフでは、比較した府下3地点のうち、寝屋川市役所一般局のNMHC/NOx比が2002年度に値が上昇し、さらに2005年度に再度上昇し ています。寝屋川市では、2002年1月から廃プラスチックの全戸収集・圧縮梱包が始まっています。2005年4月からイコール社の操業が始まり、 2006年4月から本格稼働となっています。

  実測調査では、名前が分かっているだけでも100種類もの化学物質及び多数の未知物質が発生したと聞いています。
「実測調査のまとめ」では、
・臭気の有無と工場周辺外気のVOC、カルボニル濃度に相関がある
・臭気があった6月調査では、ベンゼン濃度がF宅、公民館共に大気環境基準(3μg/m3)を超え、最大7.78μg/m3という高濃度が観測された
-2002年度の一般環境大気平均濃度は1.7μg/m3、最大濃度は5μg/m3である
・2002年度の全国の最大濃度以上のベンゼンに地域住民は晒された
・濃度の臭気および体調に変調をきたす原因となる物質について明らかにすることは出来ないが、今後臭気の強度、体調の変動に対応した実測調査を重ねること により明らかになる可能性があると考える。また、本調査で同定・定量できたVOCおよびカニボニル化合物は全有機化合物の一部であり、プラスチックごみの リサイクル処理の過程では様々な有機化合物が発生する可能性があることが確認された。
・本調査で定性(同定)・定量できたVOCおよびカルボニル化合物は全有機化合物の一部である
・廃プラスチックのリサイクル・処理過程で、様々な有機化合物が発生する
・未同定の、未知の有機化合物の臭気、健康影響は未知である
・未同定の有機化合物による汚染に対しては、予防原則に基づいて、対応しなければならない
などとされています。学者らしい厳密で慎重な表現です。柳沢教授が指摘するように、健康被害が深刻な現実となっている状況をみるとき、非燃焼系起源の非メタン炭化水素の増大による大気環境悪化の改善は緊急課題ではないでしょうか。見解をお聞きします。

(4)次に、対照的な特定業者優先、住民無視の行政姿勢についてです。

  さて、廃プラ問題を考えるとき、私たちが一貫してとりあげてきたのは、異常とも言える特定業者優先、反対に住民無視の行政姿勢です。
2002年3月末の同特法の期限切れ以前の1999年頃から、「部落解放」を目的に掲げる寝屋川資源再生業協同組合(現在の東部リサイクル事業協同組合) が廃プラ圧縮梱包施設を北河内各市に働きかけ、寝屋川市も同時期に同様の働きかけをおこなっています。 2001年、寝屋川市は、廃プラごみの分別収集を 一部で始め、この年に設置したクリーンセンター内の東部リサイクル事業協同組合の圧縮梱包施設に事業を委託しています。 この年の8月に、ごみ処理広域化 東大阪ブロック会議で、寝屋川、枚方、交野、四條畷、守口の5市共同の廃プラ圧縮梱包施設の建設・運営の計画案が決められました。そこで示された、住民合 意形成、計画の公表・意見募集、候補地の複数案の公表などは、まったく実行されませんでした。

  2002年から寝屋川市は、廃プラごみの全戸分別収集を実施しました。この間、5市共同施設の基本構想、生活環境影響調査など、寝屋川市が主導して準備が 進められ、守口が門真との合併問題を理由にぬける中、4市施設建設へ、2003年には一部事務組合立ち上げが合意されました。 
  一方、民間の廃プラ再処理施設は、府市一体のエコエリア構想、エコタウン構想に位置づけられ、当初、東部リサイクル事業協同組合と小松製作所の共同事業と されていたのが、小松が降り、東部等が出資するイコール社が設立され、府・市に開発、建築などの申請がおこなわれたのが、2003年のことでした。
この時点で、良好な環境を保全することを目的とする市街化調整区域に、都市計画法及び同法施行令の規定に基づく「容器包装の選別施設等の建築を目的とする 開発行為及び建築行為の取り扱いについて」定められた(適用の範囲)で言う「処理能力が1日5トン未満の施設」に大きく反する計画申請は、本来不許可にす べきものでした。

  ところが寝屋川市は、イコール社からの建築基準法51条適用の申請を受け、市長は、2004年2月3日の寝屋川市都市計画審議会に、51条ただし書きの適 用を諮問しました。住民への計画公表、住民からの意見提出の機会もない不当な方法を認めるものでした。 この時に初めて、住民から意見書が提出されまし た。
  この点に関して、7月19日の4市組合議会臨時会で、馬場好弘管理者は、「都市計画審議会にかけて都市計画決定もし、きっちりとなんの齟齬もなしに許可を出しております。」と答弁をしていますが、事実誤認、間違いではありませんか。訂正すべきと考えます。いかがですか。

  以後、地域では廃プラ事業に対する疑問と関心が広がり、学習会が開かれました。私たち日本共産党議員団も急遽東京都杉並区に視察に行きました。周辺自治会 の要望を受け、同年4月10日に、地域住民に対して初めておこなわれた4市施設計画の市説明会で、イコール社の問題を含め、住民の中に、健康被害と環境悪 化の不安と行政不信が一気に広がりました。住民は、イコール社を含めておこなうと約束した2回目の説明会が未だ果たされていないと、今日まで怒り続けてい ます。

  説明会の後、7自治会を中心に「2つの廃プラ処理工場建設に反対する自治会・住民の会」がつくられ、府への異議申し立て、市の開発審査会、建築審査会への 審査請求、府・市への要望書が出され、以後、1ヶ月余で8万の要望署名が集められ、6月8日に市長に提出されました。7月1日には、イコール社の操業差し 止めの仮処分を求める提訴がおこなわれました。その後の住民の取り組みについては、多くを語りませんが、同年12月市議会への8万筆の請願署名の提出、 2005年8月の「4市組合施設の建設中止、リサイクル・アンド・イコール社の操業停止を求める」大阪地裁への提訴、2006年3月10日の雨中の千人集 会・デモ、環境省への要望書提出ほか、これまで述べてきたように、行政が要望に背を向け続ける中、「廃プラ処理による公害から健康と環境を守る会」に組織 を発展させ、現在までねばり強い活動をおこなっておられます。

  こうしたかつてない住民の運動を反映して、寝屋川市と4市組合は、事業推進の一方で、4市組合として、2004年9月から2005年3月まで専門委員会をつくりました。
しかし、広報に掲載されたこの委員会の市民への報告には、計画に反対した2人の委員の意見はまったく紹介されませんでした。多数決に依ることはしないと述べていた委員長は、結局多数の意見を専門委員会の判断としてまとめました。
  また、裁判では、藤田正憲氏がイコール社などの事業を推進するエコタウン構想と一体の大阪府エコエリア構想推進検討委員会の委員長だったこと、そして、時 間的には、連続的に4市組合の専門委員会委員長になったことが明らかになりました。専門委員会は施設建設を前提にしているといえ、住民が訴えている安全性 を明らかにすることに主題がありました。被告側の主尋問の最後に、発言を求められて、藤田氏は、マテリアルリサイクル優先について、「石油資源によるプラ スチックはリサイクルによって資源節約できる、サーマルリサイクルは最後の手段」と述べました。傍聴していた私は、藤田氏においては、住民の安全より、石 油資源の節約が、比重を占めていたのか、と残念で情けない思いをしました。

  寝屋川市の廃プラ問題に対する行政姿勢の偏向は、この間の広報に際立ってあらわれています。昨年12月議会でもとりあげた、廃プラの臭いをクリーンセン ターの生ゴミにすりかえた報道、その後の(仮称)4市リサイクルプラザの記事、府・市がおこなった3月の大気環境調査結果を「安心してください」と報道す るなどです。
  その他にも共通することですが、住民の訴えには聞く耳を持たず、市長が決めたことは何が何でも一路推進、まさに廃プラ事業はそうした市政の象徴ではないでしょうか。廃プラ事業を特別扱いするその理由はどこにあるのか、見解をお聞きします。

  特定業者の特別扱いを明確に示すものとしてこれまでとりあげてきた、東部リサイクル事業協同組合への廃プラスチック(容器包装)中間処理業務委託に関して、確認の意味で質問します。
随意契約でおこなわれてきたこの委託は、今年度末で完了する予定となっています。4市施設の稼動は来年2月の予定です。委託契約はどうなるのか、明らかに してください。 また、クリーンセンター内の施設、機械が完全に寝屋川市の所有となるのはいつですか。今後の事業計画と合わせてお答えください。

  これまで私は、7年間のトータルで考えれば、土地、建物、機械、光熱水費はすべて寝屋川市が負担し、仕事を保障してきたことになる。こんな特別扱いが他に あるかと追及してきました。土地代はもらったことがありますか。建物、機械、光熱水費は、寝屋川市がすべて負担したことになると考えます。間違いありませ んか。答弁を求めます。

(5)次に、廃プラスチックのマテリアルリサイクル優先の見直しについてです。

  今回も、2人の研究者の発言を紹介し、問題提起します。
  1人は、田中勝岡山大学大学院自然科学研究科教授です。「月刊廃棄物 2004-4」での特別インタビューから紹介しておきます。

「大変誤解されていると思うのは、分別収集そのものが、市町村にとって義務でもなんでもないということです。容器包装リサイクル法が、正しく理解されてい ないと思います。PETボトルなどの容器包装を燃やしたり、埋立てたりできない市町村が、リサイクルしかないために分別したのが、分別収集の始まりです。 『分ければ資源』だと思って分別したら、有価物として回らないものが出てきた。そこで、分別しても資源にならない、有価物とならないものは、『マーケット がないからだ、メーカーが引き取れ』というのが、法律の趣旨だったわけです。(略)

  もう少しわかりやすく、分別収集の品目である、『その他プラスチック』の容器包装を例に挙げますと、現在、これを分別収集するのに、1t当たり10万円程 度かかっているケースが多い。もちろん、住民が、素材ごとに分けたり、洗ったり、保管したりするなどの手間がかかっていますが、それらを除いても、すべて 税金です。
  これを飲料・容器メーカーなどでつくる団体、『(財)日本容器包装リサイクル協会』が、1t当たり約8万円を出して、再商品化事業者に渡しています。合計 で、1t当たり18~20万円の処理コストがかかっていることになります。相対的に、燃やせるごみの中からプラスチック類が激減し、生ゴミなどの割合が高 くなり、自治体の清掃工場などでは可燃ごみさえ、燃やしづらくなっております。仕方がないので、わざわざ助燃剤を使い、ごみを燃やすといった、わけのわか らない事態も見られます。公害防止の面から、技術的に問題なく焼却できるにもかかわらずに。非常に無駄なことをしています。」

  もう1人は、村田徳治循環資源研究所(株)所長です。「月刊廃棄物 2006-7」の「循環型社会の虚構と現実 第4回 プラスチック問題」での発言から2点紹介します。

  村田氏は、ドイツとの比較で論を展開されていますが、どちらも「ごみ焼却の現状」の項で述べられています。
  「廃棄物処理法では、製造者とその製品が廃棄物になったときに処理する側とが乖離しており、処理や資源化にどのような難題が起きようとも、メーカー側に フィードバックがかからない仕組みになっている。ごみの根源をつくりだしているプラスチックメーカーに対して拡大生産者責任がまったく問われていない。蛇 口からあふれ出る水を、蛇口を閉めずに、たくさんのバケツを用意して対応しているようである。抜本的な対応は、まず、蛇口を閉めるのが先決である。これが 拡大生産者責任である。
つくった側があとは野となれ山となれという無責任体制では、いつまでたっても循環型社会は構築できない。」
  「プラスチック製品の大半は、極めて製品寿命の短い、容器包装に類するような使い捨ての用途に使用されており、これが廃プラスチック問題の根源にある。 1970年代から混合廃プラスチックをそのまま再生加工する材料リサイクル(マテリアルリサイクル)についてさまざまな試みがなされてきたが、混合廃プラ スチック製品は、その品質が劣悪であり、付加価値が低く、産業として成功している事例はほとんどなく、倒産した事例は数え切れない。

  その理由は、次のような原因に基づくものである。
①プラスチックは種類が多く、廃プラスチックを種類別に分別できる技術がない
②ガスなどの透過を防ぐために、異種のプラスチックを貼り合わせた(ラミネート)物は原理的に単一樹脂に分別できない
③同一種類のプラスチックでもメーカーにより添加剤や重合度が異なり、廃プラスチックからは均一な製品が得られない
④ガラスや金属と異なり、プラスチックは空気で酸化されたり、光で分解したりして劣化が進行する。廃プラスチックとなる頃には新品とはその性状が異なってしまい、これを溶融成型しても性能の悪い粗悪品しかできず、これでは市場性がない
⑤分別・破砕・洗浄など分離精製にコストがかかり、新品樹脂より高価になるなど、材料リサイクルへの障害はあまりにも多く経済性がない
⑥再生品の市場性が低く、製造しても販売が難しい
  廃プラスチックの材料リサイクルは、ガラスびんや空き缶のように材質が劣化しない素材のリサイクルとは異なり、うまく行かない場合のほうが多いのである。」
  以上、2人の研究者の発言を紹介しました。寝屋川市が進めてきた廃プラスチックのマテリアルリサイクル優先の見直しを求め、見解をお聞きします。

 ○第2京阪道路沿道まちづくりと環境対策について

  公害のない道路建設と十分な環境対策を求めて、第2京阪道路沿線住民を中心に申請された「大阪府公害審査会」での公害調停も、20数回を数えています。国土交通省と西日本高速道路株式会社は、「緑立つ道」、「地域に愛される道路」などのスローガンを掲げ、1回約1千万円かけて、一方的な広報紙を50数号、約5億円発行しながら、寝屋川では、貴重な緑、自然を奪ってきています。しかも、寝屋川市は、環境保全のために市街化調整区域としてきた方針を変え、第2京阪道路建設にともなう乱開発を防ぐことを理由にして、寝屋南土地区画整理事業の推進にみるように、あらたな市街化をめざそうとしています。

  日本共産党議員団は、市民の暮らし充実と財政再建を共に進める立場から大型開発優先に反対してきました。また、これからのまちづくりの基本は、環境破壊にストップをかけ、緑を守り、自然を回復再生することにあると訴えてきました。乱開発を理由に、環境破壊と大型開発を進める寝屋川市の考え方をみると、府立寝屋川公園と打上川治水緑地を除く第2京阪沿道地域も市街化の大型開発の対象にされるのではないかと心配です。第2京阪道路沿道まちづくりについての寝屋川市の見解をお聞きします。

  公害調停では、住民側は、十分な環境対策を求めて、前提になる供用開始時の交通量予測と環境アセスの現況調査を要求しています。国土交通省は、道路局のホームページには、「自動車の交通需要予測について(概要)」として「5年ごとに見直して、最新のデータに基づき推計してきました。今後、この全国の需要を前提条件として、公団など各機関において個別の路線の交通量推計を実施します。」としながら、一貫して、2020年(平成32年)がピークになると考えているから、その時の環境影響予測で説明は十分としています。住民は、事業者の説明に対して、不信と不安を抱いています。

  具体例として、2点示します。1つは、自動車の二酸化窒素による大気汚染の負荷についてです。2000年度予測で市道寝屋4号線付近で7ppbとしていたのが、2020年度予測では1ppbと7分の1に、また、新家2丁目付近では、4ppbとしていたのが0.4ppbと10分の1に、激減しています。自動車排気ガスの窒素酸化物の排出係数の変化を考えても、十分な説明が必要です。もう1つは、寝屋南地区の説明では、3カ所すべて二酸化窒素の発生濃度が1ppbの説明であったのに対し、一般国道の車線が2車線から4車線に増え、外環状にも近く、自動車走行量が寝屋南地区よりはるかに多いと予測される楠根地区の5カ所では、0.4ppb~0.8ppbと説明されています。二酸化窒素の発生濃度が、自動車走行量が多いところの方が、少ないところより小さいというのは、信じがたいことです。十分な説明が必要です。寝屋川市としても、事業者に対して、住民が求める説明と要求に真摯に応えるよう、働きかけることを求めます。見解をお聞きします。

  また、この機会に、当初のアセス書の事業者に対する知事意見の主な内容を紹介しておきます。
①地域との調和、シェルター、道路構造、排ガスの集中浄化等の環境対策
②築堤等に対する総合的な環境保全対策
③大気汚染浄化に効果的な植栽
④学校、病院等に近接区間の騒音軽減装置、環境施設帯の整備
⑤掘割区間の環境保全対策、高架道路の裏面吸音処理、低周波対策
⑥日照問題
⑦電波障害対策
⑧鳥類の調査と保護
⑨蓋掛け(トンネル)上部の緑地。広場などの整備、有効利用
⑩文化財の保存
⑪大気汚染の監視、大気汚染軽減対策。騒音監視、騒音軽減措置。振動測定、軽減対策。
などとなっています。寝屋川市としても、引き続き努力することを求めておきます。

○学校施設の防災機能について

  9月5日の「しんぶん赤旗」に、
  「国立教育政策研究所が4日にまとめた調査研究報告で、全国の公立学校37,795校の89.1%に当たる33,670校が、大規模地震など災害発生時の避難所に指定されていることが分かりました。そのうち、水を確保するための浄水設備が整備されているのは27%、自家発電は14%にとどまり、耐震性の不備だけでなく防災機能面での課題も明らかになりました。
  学校施設の防災機能に関する初の全国調査で、都道府県の防災担当部局と教育委員会を通じ、昨年5月1日現在で実施しました。
避難所に指定されている学校の防災関係施設・設備の整備状況を見ると、避難所として使用される体育館の76%にトイレが設置されています。しかし、浄水や自家発電施設のほか、防災倉庫・備蓄倉庫も27%と整備率は低い水準にとどまっています。

  また、避難所の運営主体などについては、53%の都道府県、78%の市区町村が、事前に取り決めを行っています。一方、避難所機能を考慮した災害対応マニュアルを策定している自治体は全体の3分の1程度でした。」という報道記事がありました。
  この間、議会でも、学校耐震化の遅れが厳しく指摘されてきましたが、あらためて、学校校舎の耐震化状況、体育館の耐震化状況、今後の計画をお聞きします。また、寝屋川では、避難所になっている学校の浄水設備、自家発電施設、防災倉庫、備蓄倉庫、避難所の運営主体、避難所機能を考慮した災害対応マニュアルなどの現状はどうなっているのか。今後の計画はどうなっているのか。明らかにしてください。

田中 久子議員が一般質問(07年9月市議会)

2007-09-19
まず最初に保育所についてお聞きします。
 
「構造改革」の流れの中で、親の生活実態が非常に不安定になってきています。総務省統計局「労働力調査」によると、非正規雇用が増加し、47~48%の状況で推移しています。半分の人しか「常勤雇用」になっていません。女性全体を見れば、1985年では非正規雇用労働者は33%だったのですが、2002年では50%を越え、さらに増加しているのです。「若い世代では、今「共働きをせざるを得ない」世帯が増え、そうした世帯の子育てを社会的にバックアップするしくみが問われています。母子家庭への児童扶養手当の受給期間の5年を越えたら最大で半額にするなど、子育てしにくい社会になっています。

  少子化という問題は、自然の成り行きではなく、今の政策によってつくられている要素の方が大きいと考えます。

●少子化に歯止めをかけるには、経済的支援を行い、保育所を拡充することが有効ではありませんか。

●少子化の中でも寝屋川市の保育所申し込み児は、今年、8月1日時点で働きながら待っている待機児はゼロですが、親が就労中でないため待機とカウントされていない申込み児は、788人にのぼっています。
  若い父母の中で、雇用形態の悪化などのため、生活がきびしく、保育所をもとめる声が多くなっていると考えますが、いかがですか。

●働くためには、親が安心して子どもを預けられる保育所がもとめられます。。
寝屋川市の公立保育所では、約40年前から、他市に先がけて、産休明け保育・延長保育・障害児保育・アレルギー児代替食対応などを行ってきました。また、所庭開放等、地域の子育てセンター的役割も担ってきました。公立保育所は、寝屋川全体の保育所の水準を向上させる役割を担ってきたと考えますが、
  まず、3点について見解をお聞きします。

保育所民営化についてです。

  9月7日の厚生常任委員会でひまわり保育所とかえで保育所の廃止条例が審議されました。
その際、日本共産党松尾議員は、今回の2つの保育所の廃止・民営化について、9月市議会で廃止条例を市が提出することに、当該保護者の理解や納得が得られているのか質問しました。
  子ども室は「保護者の一定理解がえられている」との答弁を行いました。
松尾議員は、2つの保育所の父母の会のアンケートでの、意見記述欄に民営化に賛成する保護者の意見が無いこと、民営化に反対し、現状のままが一番良いと言う意見が大多数であること、特に、強引な民営化、始めに民営化ありきという市の姿勢に強い批判が示されていることを明らかにしました。
その上で、9月市議会に2つの保育所廃止条例を提出していることに、保護者が納得していない、条例提出の前提である保護者の合意が得られていないことを明らかにしました。7日の厚生常任委員会後に保護者の民営化対策委員会と市の話しあいの場で、このことが問題となり、2つの保育所保護者は、廃止・民営化に合意や理解をしていないこと、市が「一定理解を得ている」という答弁を取り消すよう求める声があいついだと聞きます。勝手な解釈で、保護者が民営化に賛成しているかのような市の答弁は容認できません。そこでお聞きします。

●7日の「一定の理解を得ている」という市の答弁は取り消すべきこと、保護者が希望しない民営化の強行に同意していないことを認めるべきではありませんか。お聞きします。

●民営化にあたって、市は多様化する保育ニーズ対応のためといっていますが、公立保育所で行おうとすればできることではないのですか。市がやろうとする考えを持っていないのではありませんか。お聞きします。

  「初めに民営化ありき」の見直しについてです。

●東京都文京区は、行革プランの一環として職員(保育士)とコスト削減、多様な保育ニーズに応えるこの名目で、17園ある公立保育所のうちの2カ所を公設民営化する計画が発表されました。保護者と区との協議の上、「新行財政改革推進計画における保育園のあり方検討協議会」が1年半にわたって、ほぼ2週間に1度のペースで開かれました。この中で明らかになったのは、民営化によるコスト削減効果は少ないこと、保育の質の維持は不透明であることでした。これらの議論を経て、保育ビジョンを策定し、今年3月の行革プラン見直しの中で、保育所の民営化は中止しされました。
  寝屋川市の保育所検討委員会には、保護者も入れず、保護者である利用者の意見も取り入れず、民営化ありきの市の強行な姿勢ですすめられました。
  寝屋川市でも「初めに民営化ありき」「行政がきめたことは、何も変えない」という姿勢をあらため、民営化方針の凍結もふくめた措置を行い保護者、関係者と十分な協議を行うべきと考えます。お聞きします。


●9月1日号の広報では、2005年度(平成17年度)公私別保育所運営費比較表として公立保育所と民間保育所の児童1人あたりの市の負担額の比較が掲載され、年間約90万円の差があるとされていました。
  公立保育所への国庫負担金は04年度より一般財源化され、地方交付税で措置されることとなりました。
  05年度分でも本市の場合、基準財政需要額に、公立保育所の経費として、約11億円が参入されています。ところが、05年度の市の決算書では、国庫支出金で約341万円のみとされ、地方交付税で参入されている分は入っていません。このため、公立保育所の市の持ち出しが過大なるものとされているのです。
  数字を出す以上、正確なものでなければなりません。また、正確な数字を出せないのなら無理に比較することにはやめるべきです。間違った数字を根拠にして、公立保育所民営化をすすめることは許されません。まして、市広報で一方的な宣伝をすることはやめるべきです。お聞きします。 


●市は民営化について、しきりに保育水準をおとさないと言っていますが、公立保育所の保育水準とは何なのか。おとさない水準とは何なのか、お聞きします。

  少子化対策として、公立保育所民営化でなく、母親が子どもを生み、安心して働けるようにするためには、公立保育所の保育士の経験年数のバランスの良い年齢構成や、民間保育士がずっと働きつづけられることが重要です。

●コストの問題は、保育所運営費の約9割が人件費です。保育士がずっと働きつづけられることは、保育の質にもかかわってきますから、子どもたちのことを考慮すれば、一律的なコスト削減は、行うべきではありません。
  コスト問題より、今年、9月1日時点、寝屋川市の正職保育士は、50代91人、40代67人、30代42人、20代2人と202人なっています。公立保育士の平均年齢が高くなっています。保育士の年齢のアンバランスが生じています。雇用政策の点からもアルバイト保育士でカバーするのでなく、新しく正職保育士を採用することが求められます。保育士の年齢構成をバランスの点からも、保育を継承する上でも検討すべき問題だと考えます。計画的に新しい正職保育士の増員がもとめられます。見解をお聞きします。

●市として民間保育所の質の向上をはかる上でも、今ある公立保育所を残すこと。民間保育所においても保育士が働きつづけられるために、公私間格差の是正が必要と考えますが、見解をお聞きします。  


●大阪府へ民間保育所と公立保育所の保育士の賃金格差をなくすため公私間格差是正の補助金をもとめるべきと考えます。見解をお聞きします。

●公立保育所は、産休明け保育・延長保育・障害児保育・アレルギー児代替食対応を行ってきました。また、所庭開放等、地域の子育てセンター的役割も担ってきました。これらの役割をもつ寝屋川の公立保育所は、「子どもたち・地域・寝屋川の宝」です。

  ひまわり・かえで保育所の父母の会アンケートの意見記述欄には、
①今まで通り、子どもたちが楽しく過ごせる保育所のままで。子どもたちに精神的な負担をかけないで。
②民営化には絶対反対です。このアンケートに応えないと行けないのはほんとうに残念です。
③とにかく急ぎすぎる。やはり公立のほうがと入所している人が多いと思うのでは、もう少し時間が必要だと思う。せめて、理解を得られるまで、民営化するべきではないと思う。
④2回の懇談会を開いたが、質問の答えになっていないことが多く、時間もなく、保護者の不満は増えるばかりです。
⑤寝屋川市は保護者の不安を取り除くため、説明会をしているが、歩みよりが無く不安は増える一方である。
⑥民営化は保護者が望んでするものではありません。どうしてもするというのであれば、要望を受けいれてくれないと困る。良質な法人を保護者に選ばせてほしい。扱ってるのが物でなく子ども・人間なのです。私立が悪いとは思いませんが、私たちは公立を選んで入所しているのです。そのことを忘れないで下さい。市の都合で勝手にスケジュールを突きつけられて、肉体的にも精神的にも負担が大きいです。口先や文書では保育の質を下げないと言っているが、市が考えている具体的な事が見えない、というか現場をわかっていないようにしか思えないが、、、。誠意を感じられないのが一番腹立たしい・・。財政難のツケを何も悪くない子どもにさせないで、犠牲にしてほしくないという気持ちが根底にあることは理解しておくように。など民営化を理解していない、納得していないという多くの同様の意見の記述がありました。

●この公立保育所で就学前までづっと通えると信じていた保護者や子どもたちのこえを無視しないでください。公立保育所を存続すべきです。見解をお聞きします。
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