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一般質問

2016年12月議会 一般質問 前川奈緒

2016-12-16

日本共産党議員団の前川なおです。通告に従いまして、一般質問を行います。

 

■まず防災・減災について質問します。
 4月16日の熊本地震に続いて10月21日に鳥取地震、11月19日の和歌山県南部を震源地とする地震など、大きな地震が頻発しています。あらためて、市民一人ひとりの防災意識が大切になっていると思います。

各家庭に配布された防災マップは活用されているでしょうか。一度目を通しただけという人も多いのではないでしょうか。自分の避難先を確認していない人、忘れてしまった人、大規模災害と浸水被害の避難場所を混同している人など、避難場所の確認一つとっても徹底するのは困難です。

 

 防災への知識や訓練は繰り返し行うことが大切です。繰り返すことで、揺れがきたときの素早い避難行動に結びつきます。保育所や学校では避難訓練が繰り返し行われていますが、地域の高齢者などはそうもいきません。防災意識をもってもらう取り組みをどう継続すればいいでしょうか。

市のホームページからは「防災」について、知りたい情報へアクセスできますが、紙媒体でしか情報を得ることのできない、主に高齢者は広報等に頼ることになります。


広報6月号では巨大地震・集中豪雨対策についての特集が組まれ、インパクトがありました。ただし、特集だけでは持続性はありません。たとえスペースが小さくても、防災コーナーを常設することで、市民への防災意識の喚起が持続すると考えます。
市民への防災意識向上へ、継続した働きかけの一手段として、広報の活用をご検討ください。市の見解をおうかがいします。

 

・次に、防災訓練のあり方についてです。
 地域の防災訓練は防災意識を高める貴重な機会ですが、車椅子の方、聴覚・視覚障害をはじめ障害をお持ちの方、介護度の高い高齢者、妊産婦など、支援の必要な人の参加は難しい状況があります。
 国の防災基本計画は、避難訓練等について「防災知識の普及、訓練を実施する際、高齢者、障害者、外国人、乳幼児、妊産婦等の要配慮者の多様なニーズを十分配慮し、地域において要配慮者を支援する体制が整備されるよう努める」とあります。
 
 「障害者にとっての防災課題検討会」が作成した「2015年度大阪府下市町村障害者と防災に関する自治体アンケート」の結果報告をみると、避難訓練に要配慮者が参加していると回答したのは、43自治体中42%、地区によって参加しているが9%、参加していないが5%、不明が44%です。
本市は「参加している」と回答しています。地域にもよりますが、どんな人がどれぐらい参加しているのか、状況を明らかにしてください。

 

 大規模災害のときに頼りとなるのは地域です。地域の人たちと要配慮者双方が訓練を通して避難経験を共有することが大切です。
 要配慮者への防災訓練の参加促進とそのためのサポートについて、どんな課題があるとお考えですか。お答えください。

 

・備蓄品については、地域の自主防災協議会のメンバーから、電池が古くてつかない懐中電灯数百個が置きっぱなし、備蓄品の発電機は点検されているのか、使い方がわからないが大丈夫なのかという声をお聞きし、見に行きました。懐中電灯は未開封でしたが電池が約20年前の物で古く、回収されないままになっていました。

 

 備蓄品の数も実際目にすると、決して多くはないと思いました。むしろ「こんなに少なくて大丈夫なのか」と不安さえ感じました。
定期的な点検と入れ替え、学校や自主防災協議会との連携についても心配になりました。
備蓄品の点検・補充体制、また地域の自主防災協議会との日ごろの連携体制について、明らかにしてください。

 

・避難先となる小中学校など公共施設の安全確保についてお聞きします。
 校舎の耐震に問題はなくても、窓、ガラス、天井や外壁などが崩れ落ちる、照明器具やロッカーの転倒や落下など、非構造部材の耐震が心配です。落下物などによるけがなど直接的な被害のほかに、避難経路の遮断、ガスもれ等による出火など二次災害につながる恐れもあります。

 

 非構造部材は多種多様で点検にも多額の費用がかかりますが、児童・生徒の安全はもちろん、地域の避難所としての機能を確保するうえで、非構造部材で想定される危険個所を把握し、計画的・継続的・効率的な点検とそのための体制が不可欠です。
 市内の全小中学校など公共施設の非構造部材の耐震と点検にかかる方針や実施計画、そのための体制について明らかにしてください。

 あわせて小中学校の大規模改修等についても見解をおうかがいします。

 

■次に子育て支援に関連して公立保育所の施設整備についてうかがいます。
 耐震は問題なしとされているA公立保育所は、開閉が困難な窓や扉がいくつもあり、遊戯室や各部屋の天井に設置している扇風機がいくつか壊れたまま放置されています。職員室の床がはげている、雨漏りがある、トイレが日常的に詰まるなど、課題がたくさんあります。

 

民間の保育園では、10年で改修工事を行っているところもあります。外観をきれいにするだけではなく、子どもにとって過ごしやすい部屋へ、保育士にとっても保育しやすい部屋へと改善されています。

 A公立保育所は、外壁も黒ずみ、床の塗装もところどころペンキがはげた状態です。孫の送迎にきている地域の方から、保育環境をもう少しましなものにできないのかという声もたびたび寄せられます。日常的なトイレの詰まりは早急に改善すべきことです。
 公立保育所で修繕カ所がいくつもある問題についてどのように認識していますか。お答えください。

 

 留守家庭児童会(学童保育)のトイレについても早急に改善するよう求めます。ある学童保育の女子トイレは5つのうち2つが故障で使用禁止、男子トイレも個室の1つが使用禁止、使用できる個室もドアノブがないなどひどい環境です。
 学童保育のトイレの早期改修と洋式化を強く求めます。

 

・公立保育所の3歳児の完全給食についてです。
 公立保育所では0、1、2歳児はご飯もおかずも出る完全給食です。3、4、5歳児は、おかずだけが給食で、主食のご飯は持参しなければなりません。おかずは温かいのにご飯は冷たい状態で給食を食べているのです。
 
 公立保育所の完全給食は、保護者負担がある自治体も含め、府下43自治体中、公立保育所のない太子町と千早赤阪村を除く37自治体が実施しています。残りの主食持参自治体は、寝屋川、枚方、守口、交野の4市です。府下自治体と比べ立ち後れているといわざるを得ません。

 3歳から5歳児の分もご飯を炊いて完全給食にしてください。衛生管理面での課題はもちろん、「食育」の観点からも食事として当たり前の状態にすべきです。

 中学校給食でさえ温かいものにという議論をしている中で、3歳、4歳、5歳児の小さい子どもたちが冷たいご飯で給食を食べている状況をどう感じますか。
 公立保育所で3歳児以上の完全給食を実施してください。その際、課題があればお答えください。

 

・次に待機児解消についてです。
 9月議会では、年度途中の待機児は保育士不足によるものが6割という回答でした。今後、年間通して待機児ゼロにしていくための具体策をお示しください。

 

・子育て支援の最後に、就学援助制度についてです。
 格差と貧困が社会問題化する中で、就学援助制度の改善の動きがでてきています。
 文部科学省は来年度予算の概算要求で入学準備金を「ほぼ倍額に引き上げる方向」で財務省と協議に入っています。

 

 全国的には入学準備金の前倒し支給を実施している自治体が広がっています。群馬県太田市は、来年度入学する子どもから入学準備金の支給時期を2月から3月に前倒しし、支給額も小学生では2万470円から4万円へ、中学生は2万3550円から5万円に増額します。

 東京都内では新宿区、江戸川区、多摩市など都内10市区で入学前支給の検討を約束。八王子市は、来年度から、これまでの7月支給から3月1日の支給を決定しています。
 就学援助制度の改善を求める長年の運動が実ってきたといえるのではないでしょうか。
 本市においても就学援助制度の対象拡大と入学準備金の拡充と支給時期を早めることをあらためて求めます。見解をおうかがいします。

 

■子どもの権利について、いくつかお聞きします。
・子どもの権利に関する条例についてです。
 1989年に国連総会で採択された「子どもの権利条約」は4つの柱として、子どもの「生きる権利」「守られる権利」「育つ権利」「参加する権利」を定めています。同条約の第12条1項は、「自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利を確保する。この場合において、児童の意見は、その児童の年齢及び成熟度にしたがって相応に考慮されるものとする」とあります。日本は94年に批准しました。

 

 全国を見れば2016年9月現在、43自治体で「子どもの権利」に関する条例が制定されています。大阪府では泉南市が2012年10月に「泉南市子どもの権利に関する条例」を制定しています。
 泉南市の条例は前文と4章とで構成され、全部で17条あります。この条例の検討にあたり、泉南市の小学生が「泉南・子ども・憲章」を起草しています。そこにはこう書かれています。

私たちは、泉南の子どもです。
私たちは、子どもの平和のために3日間かけて話しあいました。
私たちは、泉南の自然が多くて、元気なところが、好きです。
そんなまちが好きだからこそ、私たち子どものことを大切にしてください。

 

続いて、お父さんやお母さんに対しては、家庭での暴力などに子どもを巻き込まないでほしいという思いを綴っています。学校に対しては、一人ひとりの意見を大事にしてほしい、いじめのない仲の良い学校にしていきたいという思いがあふれています。

 

まちのおとなへは、
子どもたちのために、公園の遊具を減らさないでください。
きれいで安全なまちにしてください。
子どもたちも泉南のまちをよくしたいと考えていることを知ってください。
私たちの気持ちをきくときに大切にしてほしいことは
話を途中でさえぎらないで最後までちゃんときいてください。
きいたあとは、やさしく接してください。
すぐに評価するのは待ってください。
私たちは、他のひとの気持ちや意見を聞くことも大切にします。

 

 どうでしょうか。泉南の子どもたちがつくった文章ですが、地域や国を越えて響き合う文章ではないでしょうか。
 
 泉南市では、子どもたちの声に耳を傾け、思いを受け止め、さらに対話を深めることで、大人と一緒に「子どもにやさしいまち」の実現に向けて、この条例を制定しています。
 本市においても、子どもの意見表明を保障し、市政参加への取り組みをさらに発展し充実させるための子どもの権利に関する条例について、市の見解をおうかがいします。

 

・子ども食堂についてです。
 香里地域でNPO法人が行っている「子ども食堂」は毎回多くの家族でにぎわっています。大人300円、子ども100円という低料金で食事ができ、閉店時間の午後8時まで、めいめい好きなことをして遊んでいます。

 毎回食べにきているシングルマザーの何人かに聞くと、「子どもと2人だけの食事だと会話も少ないし、偏ったメニューになりがち。ここだとにぎやかだし、野菜も工夫して出してくれるからありがたい」「いつもは少ししか食べないのに、ここにくると倍の量を食べる。周りの子どもに影響されている感じ」「いつも子どもをせき立てて必死の毎日だけど、ここは親もほっとできる」など話してくれました。

 子どもたちも月1回の食堂の日を心待ちにしているようです。子どもだけで食べに来る子、習い事を休んで食堂にくる親子も数組います。食後は、将棋やオセロ、読書や剣玉など自分の好きなように過ごし、ボランティアのスタッフと心ゆくまで遊ぶ子どもたちの表情は生き生きしています。
 親も子もほっとできる居場所になっているのが「子ども食堂」なのです。

 

 枚方市では2016年10月から「子どもの居場所づくり推進事業」と銘打って、市内の「子ども食堂」へのサポート事業をスタートさせています。内容は、施設改修費など初期経費と食材や消耗品費、光熱水費などの運営費で、現在11団体に補助を行っています。運営経費にかかる補助額は事業実施回数×7千円が限度額です。

 事業実施にあたっての要件は、中学生以下の子どもへの食事提供は無償、1回あたりの食事の提供回数はおおむね20食以上、参加する子どもを登録させること、実施施設の設備等について保健所の指導に従うこと、また調理従事者の中に食品衛生責任者を置くことなど11項目を定めています。

 また、泉大津市の「おづみん子ども食堂」は市直営です。
 堺市は業務委託によるモデル事業を今年度実施し、結果を踏まえて来年度実施する予定となっています。
 本市として子どもの居場所という視点での「子ども食堂」への支援、または設置についてどう考えますか。課題を含め見解をおうかがいします。

 

 子どもの居場所や子ども食堂のニーズを把握する上で、食事回数や内容、子どもだけで食事をする孤食など調査・把握することを提案します。小学校等で行われている生活習慣調査に項目を加えるなども可能ではないでしょうか。特に就学前児童は保護者に対するアンケート等は行われておらず、就学前児童の実状を把握するにはいたっていないのではないかと考えます。

 子どもの居場所や「子ども食堂」へつなげる支援を検討していく上で、たとえば4、5歳児の保護者に対して生活実態等を調査してはどうでしょうか。検討することを求めておきます。

 

■次に障害者の権利についてです。
 障害者差別解消法がことし4月に施行されました。施行にあたって職員対応要領を策定することとなっていますが、本市における進捗状況を明らかにしてください。

 手話通訳者については、総合センターに2人配置されていますが、市役所本庁にも常時配置することを検討すべきではないでしょうか。先日、厚生常任委員会の視察で熊本市役所を訪れた際、市役所入り口すぐの総合案内に手話通訳者がいました。すぐ目の前に手話通訳者がいる状態と不在とでは安心感に大きな差が出ます。
 聴覚障害者が自ら手話通訳者を伴わずにすむように、市役所本庁への手話通訳者の配置、もしくは手話のできる職員の育成と配置の検討を求めます。見解をおうかがいします。

 

・手話言語条例についての進捗状況をお聞きします。
 現在、大阪府においても来年4月施行をめざして手話言語条例の検討部会を設置し準備をすすめています。本市においても聴覚障害者団体の意見を反映して、条例制定へと具体的に動いてほしいと思います。見解をうかがいます。

 

■再生可能エネルギーについてです。
 大阪府は「おおさかエネルギー地産地消推進プラン」で2020年度までに府域で90万キロワットの太陽光発電の増加を目指すとともに、エネルギー消費の抑制、電力需要の平準化と電力供給の安定化を打ち出しています。ことしから「府民共同発電所」と地域活動を支援する取り組みもスタートさせています。

府のスマートエネルギー協議会の事業者部門会議には、本市で活動する「NPO法人ねやがわ市民共同発電所」もメンバーに入っています。

 同団体は「自然エネルギーねやがわ市民の会」など他の市民団体と一緒に、市民向けの学習会や講演会のほか、2014年2月たちばな保育園に市民共同発電所のソーラーパネル1号機を設置、ワークセンター小路に2号機を設置、来年2月中にはこっこ保育園に3号機を設置する予定です。

本市でも再生可能エネルギーの普及促進を図る上で、実績ある市民団体と連携し情報共有することは有効と考えます。

 再生可能エネルギーの普及促進のために市民団体と連携・協力し、市民への普及・促進の取り組みを進めてください。見解をうかがいます。

 本市において、公共施設等への太陽光パネル設置をさらに促進するため、再生可能エネルギー普及の短期的な目標値の設定とともに、目標達成のための具体的な計画を策定すべきと考えます。見解をうかがいます。

 

■その他として、葬儀場の建設に関する課題についてです。
 この夏、萱島駅前に家族葬をうたう葬儀場の建設が持ち上がりました。萱島駅前の交番から直線で約60㍍と近く、萱島祭りの出店の中間地点でもあり、寝屋川ハーフマラソンの折り返し地点にもなる場所です。

 約106坪の敷地に地下1階地上2階建ての葬儀場を建設するというのですが、周囲はワンルームマンションや民家などが接近する住宅密集地です。

 驚いた周辺住民の方々は市への要望書提出をはじめ、事業者に何度も「建設中止」「内容変更」等を求めましたが住民の意見は聞き入れられませんでした。
 現在も事業者との協議は平行線で、近隣住民の方は「萱島駅前、住宅密集地に葬儀場建設反対」を掲げ毎週火曜日にチラシ配布など宣伝行動を行っています。

 

 葬儀場は必要な施設であり、建設自体に反対するものではありませんが、萱島駅前のように建設予定地が狭く住宅と接近している環境に葬儀場を建設する行為は、住民に配慮しているとはいえません。
葬儀関連施設の建設については法的に規制がなく、全国で問題になっています。川崎市議会や千葉市議会が「法整備を求める意見書」を採択するなど、法的な対応を求める声も高まっています。

 

 昨今は葬儀も簡素化する傾向にあり、人口減少や核家族化の増加に伴い小規模での葬儀は将来的に増加すると思われます。
 葬儀関連施設の建設について、市として、都市計画やまちづくりの中で法的な規制を検討するよう求めておきます。

 

 以上で私からの一般質問を終わります。再質問は自席にて行います。ご静聴ありがとうございました。

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